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「嫌われ者」CO2が人気? 宅配用ドライアイスで脚光

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2012/1/21付
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 「嫌われ者の二酸化炭素(CO2)が人気だと聞いたのですが……」。近所の会社員がもたらした情報に探偵、深津明日香は驚いた。「地球温暖化の原因だから減らそうとしているのに、どうして?」。早速、調査に走り出した。

 事実を確かめようと、まず経済産業省のデータを取り寄せた。「炭酸ガス」の名前で販売したり、自社で使ったりする目的で生産されたCO2は、2010年で約92万トン。6年連続で前年を上回り、10年前に比べ8.5%増えていた。

■溶接用は縮小気味

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 「何に使っているのですか」。業界団体の日本産業・医療ガス協会(東京都港区)に問い合わせると、溶接が多いとの答え。金属を溶かしてつなぎ合わせる際、強度を保つためガスを噴きかける。「ただ溶接向けは縮小気味です」。生産拠点の海外移転や景気低迷で、国内の造船や自動車製造が苦戦しているためだ。

 他にないかと探していると、机の上の炭酸飲料が目に留まった。「そうよ。水にCO2を溶かすと炭酸水になるわ」。全国清涼飲料工業会(同中央区)によると10年の炭酸飲料生産量は約345万キロリットル。カロリーを抑えた商品のヒットなどで4年連続で伸びていた。

 産業ガス大手の昭和電工ガスプロダクツ(川崎市)に向かった明日香は応対してくれた生野友美さん(46)に自信満々尋ねた。「炭酸飲料人気が追い風になってますよね」。「いいえ。飲料向け全体の販売量は微減です」と生野さん。ビールの劣化防止に使うが、ビールメーカーが自社工場で出るガスを再利用することが多くなったそうだ。

 「いったい、伸びているのはどこなの?」。明日香が悩んでいると、近所の主婦の声が聞こえた。「宅配を頼むと、冷凍食品のそばにドライアイスを入れてくれるわ」。「CO2が固体になったものがドライアイス。これかも」

 工業ガス専門誌「ガスレビュー」の資料を見ると、10年度のドライアイス生産量は33万2千トンと10年間で約3割増えていた。チルド(冷蔵)品は保冷剤で十分だが、冷凍食品やアイスクリームを運ぶには、マイナス79度と温度のより低いドライアイスの出番となる。

■食の安全担う

 日本生活協同組合連合会に聞いたところ、全国の生協の宅配売上高は10年度で1兆5700億円と、01年度比で1割伸びていた。調査会社の富士経済(東京都中央区)によれば、食品を扱うネットスーパーの11年の市場規模は781億円と前年の1.4倍に膨らんだもよう。共働きや来店の難しい高齢者が増え、宅配を使う家庭が広がっていることが背景とみられている。

 ドライアイス最大手、エア・ウォーター炭酸(同港区)の野村和伯さん(39)は「食品の安全に対する意識が年々高まっていることも、利用が進む一因です」と分析する。温度管理が強化され、これまで以上に頼りにされているようだ。

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