2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9.0の極めて強い地震が起き、宮城県北部で震度7の烈震を観測した。1854年12月の安政の大地震を上回り、過去最大規模の地震災害となった。 震災取材ブログはこちら 亡くなられた方々の一覧はこちら
今回の東日本巨大地震では東京都の都心部でも震度5強を記録した。震源から遠くまで地震波が伝わり、ゆっくりと揺れる「長周期地震動」が襲った。高層ビルは被害を受けやすく、20階を超える都内の最新ビルでも揺れが10分以上続き、棚から物が落下。長周期地震動が注目されたのは2003年の十勝沖地震だ。築10年以上の高層ビルでは対策を講じていない建物も多く、対策を検討していた矢先の発生だった。
建物には共振で揺れを増幅する固有周期があり、高いビルほどゆっくりとした長周期の揺れに弱い。長周期地震動では高さ70~100メートル以上、20~30階以上の高層ビルで被害が大きくなる。専門家によると、こうした高層ビルは日本全体で約1100棟あり、幅2~4メートルの大きな揺れが5~10分間続く可能性があるという。
長周期地震動は石油タンクにも大きな被害をもたらす。内部の油が波打つ「スロッシング」現象を誘発し、火災の危険がある。十勝沖地震では震源地から300キロメートル離れた石油タンクで火災が起きた。

都心部の地盤には揺れを増幅しやすい特性がある。地震波は硬い地盤から軟らかい地盤に入ると、地震波の伝わる速度が遅くなり、逆に揺れは大きくなる。
関東地域をはじめ、中部地域や阪神地域の平野部は堆積層で地盤が軟らかく、揺れが強くなりやすい。関東平野では揺れが5倍以上になるという。04年に起きた新潟県中越地震では、震源から約200キロメートル離れた六本木ヒルズ(東京・港)でエレベーターのワイヤが切れた。
2000年よりも前に建てられた高層ビルでは長周期地震動対策が不十分なものが多いとされる。建物の立地や高さによって揺れは大きく異なるため、日本建築学会は耐震診断を実施したうえで耐震工事を施すように勧めている。
制振部材や耐震エレベーターの導入、家具の固定などで被害を軽減できるという。マンションでは居住者向けに震災時の行動マニュアルを整備し、管理組合で耐震診断や補修計画について情報を共有しておくことを呼びかけている。
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