■少子高齢化、生産の海外移管…伸び悩む国内市場
バブル崩壊以降、食品機械の国内市場は漸減傾向が続く。国内販売額はこの10年間、4000億円台で安定。輸出額も200億円前後で推移し、大きな伸びは無い。少子高齢化や食品加工の海外移管などで、国内での食品機械の受注は成長余地は限られている。
海外進出が進まなかった最大の理由は、各国・地域ごとの食文化や食材の事情に対応する必要があり、量産機械を売りにくかったからだ。例えば野菜。同じ品種でも、季節や産地ごと規格が違う。食文化が違う外国では、なおのこと同じ機械は売れない。「業界として海外市場を意識しないわけでなかった」(日本食品機械工業会の尾上昇会長)が、「まんじゅう製造機を欧米で販売しようとしても、まんじゅうを食べない国・地域で機械の出荷が増えるはずがない」(同)。特定用途に使い勝手のよい食品機械を作り込むほど、世界市場を見据えた事業には壁が立ちはだかる。
そんななか、国内各社が期待を寄せているのがアジア市場だ。「欧米よりも食文化が日本に似ているうえ、日本食への関心も高まっている」(日本貿易振興機構=ジェトロ=の担当者)など日本勢に優位な条件がそろっているからだ。
■食文化の近さ強みに
ギョーザの製造機械を手掛ける東亜工業(浜松市)。08年に対中輸出したのを皮切りに、数年前までは全体の数パーセントだった海外部門の売上高が09年7月期は1割強に拡大した。10年7月期は約3割まで急成長し、その過半を中国向けが占めている。15年7月期には全体の半分を海外で稼ぐ計画だ。
ギョーザは日本でも中国でも国民食と言われるほど人気のある料理。人件費が高騰している上海や広州など中国沿海部の冷凍食品メーカーを中心に、1台で30人分の作業をこなす同社のギョーザ製造機械への引き合いは強く、「1台1千万円近い大型機械が相次いで売れている」(同社国際事業部)という。
日本の伝統食も例外ではない。味噌やしょうゆの原料となる「こうじ」をつくる機械で国内7割強のシェアを握るフジワラテクノアート(岡山市)も輸出に注力し始めた。これまで主に日本の食品メーカーの海外工場向けに設備を納入してきたが、今夏には中国のしょうゆ製造大手から受注した設備が稼働する。「中国メーカーが品質を厳しく求め始めた」(矢澤真裕専務)ためで、こうじを作る機械でも、より精緻なものが評価されるようになってきたという。
ドリマックス、フーマジャパン、フジワラテクノアート、ワタナベフーマック、東亜工業
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