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フェースブック、家族の意思疎通にも必須 大柴ひさみ・ジャムジャパンマーケティング代表

2010/7/26 7:00
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 インターネットがネット空間と現実社会との壁を突き動かし始めた。その原動力が5億人の利用者をもつ世界最大のSNS(交流サイト)「フェースブック」だ。スターバックスが顧客との信頼構築に活用して業績を回復させたほか、トヨタ自動車やホンダもマーケティングに積極導入している。
 フェースブックはネット業界における開発競争の姿も変えつつあり、ポスト・グーグル時代の主導権を見据えた動きも加速しそうだ。
 
(ネットのチカラ 第1部「ソーシャル」が変える〈1〉は日経産業新聞2010年7月26日付で掲載)

ジャムジャパンマーケティングの大柴ひさみ代表

ジャムジャパンマーケティングの大柴ひさみ代表

 世界利用者5億人を達成したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手の米フェースブック(カリフォルニア州パロアルト市)。同社は、世界をどのように変えるのか。シリコンバレーを拠点に活動するコンサルタントで、米国のウェブマーケティング事情に詳しい、ジャムジャパンマーケティング(カリフォルニア州)代表の大柴ひさみ氏に聞いた。

 ――米国でのフェースブックの利用実態は。

 「80歳のおばあちゃんからその孫まで、あらゆる年齢層がフェースブックを使い始めている。友人や家族がフェースブック経由で連絡してくるので、皆が登録せざるを得ない状況になった。文章、写真、ビデオなどの共有に使われており、コミュニケーションの基本ソフト(OS)になったという感覚。フェースブックを利用していないと、家族内でのコミュニケーション疎通が悪くなる」

 「特に米国の若年層は携帯電話のテキストメッセージ機能からフェースブックに移行しており、いつの間にか電子メールが忘れられつつある。直近のデータでは、米ネット利用者の約7割がフェースブックを使っている。電話やテレビに匹敵する存在になった」

 ――これまでのネットサービスとどう違うのか。

 「グーグルは、コンピューターでネット上の情報を検索する。フェースブックは、人と人のつながりで情報を共有する。フェースブックなどのソーシャルメディアは、人と人のつながりを促進するツールで『暖かみ』がある。世界中の人々が一気につながり、物事をシェアすることで必要な情報が見つけられるようになった。世界中が『フェースブック化』すれば、日本(のネット利用者)もやらざるを得なくなる。グーグル世代から、フェースブック世代に移ろうとしているのではないか」

 ――企業は、フェースブックなどのソーシャルメディアとどう付き合うべきか。

 「長期間付き合うコミットメントが必要。ソーシャルメディアの利用者を尊敬し、価値のある情報をその瞬間に流す必要がある。一方通行の情報配信ではなく、利用者との対話を重視すると同時に、利用者同士のコミュニケーションが盛り上がるような話題を提供するのも重要だ」

 「特に、フェースブック上の『ファン』(=企業ブランドなどをお気に入り登録した人)は、企業にとって大きな味方になる可能性が高く、手厚くかかわり合う必要がある。彼らは重要な顧客であると同時に、友人や家族にブランドを広めてくれるマーケッターでもある」

 ――ミニブログ「ツイッター」の利用実態は。

 「あらゆるソーシャルメディアがフェースブックとの連携を進めており、フェースブックが『ハブ』になりつつある。ツイッターの米国での認知率は8割程度でほとんどの人が知っているが、実際の利用率は10%程度。7割のフェースブックと比べると利用率は低い。ニュースメディアやブロガー、著名人らが多くの人に瞬時に情報を発信するツールとして使われているケースが多い」

 ――あらゆる情報がフェースブックに集中するリスクも高まっている。

 「詳細な個人情報に加え、誰と誰が知り合いかなど世界中の利用者の人脈情報が集中している。フェースブック利用者がネット上で何に興味があるかなどのデータも集め始めている。フェースブックが保有しているネット利用者のデータは、グーグルの比ではない。すでに危険水域に達している可能性もあり、反動が出るかもしれない」

(聞き手は産業部 田中暁人)


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