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ルネサスが100日プロジェクトの結果を報告、28nm世代以降はファウンドリーに全面委託

2010/7/30 23:00
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 ルネサス エレクトロニクスは2010年7月29日,2010年度第1四半期(2010年4~6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比24%増の2920億円,半導体売上高は同25%増の2615億円,営業損失は同436億円改善の3億円,純損失は同114億円改善の331億円となった。

決算および「100日プロジェクト」の結果について説明するルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長の赤尾泰氏

決算および「100日プロジェクト」の結果について説明するルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長の赤尾泰氏

営業損益はほぼ均衡圏へ

営業損益はほぼ均衡圏へ

2010~2012年度の年平均成長率を7~10%へ

2010~2012年度の年平均成長率を7~10%へ

SoC事業はインフラ向けに注力

SoC事業はインフラ向けに注力

Nokia社の通信モデム買収でSoC事業を強化

Nokia社の通信モデム買収でSoC事業を強化

マイコンは五つのプロセサ・コアを存続

マイコンは五つのプロセサ・コアを存続

2010年度の社内4万8000人は契約社員も含む

2010年度の社内4万8000人は契約社員も含む

 純損失が331億円となったのは,生産ラインの減損損失331億円を計上したため。具体的には,山形の300mm生産ラインと米国ローズビルの200mm生産ラインをそれぞれ減損処理している。事業別の売上高は,SoC(system on a chip)が前年同期比3%減の777億円,マイコンが同42%増の993億円,アナログおよびパワー半導体が同45%増の826億円となっている。

 2010年度の通期業績見通しは,売上高が前年度比12%増の1兆1900億円と,2010年5月11日の公表値から200億円上方修正した。営業損益は同1202億円改善の70億円の黒字,純損失は同577億円改善の800億円を見込む。純損失が800億円となるのは,生産構造対策で約530億円,人的効率化対策(人員の削減や再配置)で約240億円,合計約770億円の特別損失を計上するため。なお,事業別売上高の前年度比伸び率は,SoCが10%台前半,マイコンが10%台後半,アナログおよびパワー半導体が10%台後半とする。

 2010年4月1日にルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの経営統合によって発足したルネサス エレクトロニクスは,統合後100日以内に事業構造改革の枠組みを決める「100日プロジェクト」を推進してきた。今回,その結果についても報告した。

 まず,売上高に関しては2010~2012年度の年平均成長率を7~10%に高める。そのために事業領域を「拡大・成長事業」「現行・中核事業」「縮小事業」の三つに分け,拡大・成長事業に経営資源を集中させる。なお,海外売上高比率は,2010年度の50%から2012年度に60%超に増やす。

 SoC事業では,通信インフラ向け,マルチメディア・インフラ向け,産業インフラ向けの各事業を拡大・成長事業として位置付けた。通信インフラ向け事業は,フィンランドNokia社の通信モデム部門買収などによって強化を図る。逆に「市場の成長性が低い製品や低収益の製品,リスクの高い一部の先端ASICなどは事業を縮小する」(ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長の赤尾秦氏)という。

 マイコン事業では,製品を「ハイエンド」「ミドルレンジ」「ローエンド」の三つに分け,5種類のプロセサ・コアのすみ分けを図った。ハイエンドには「V850」と「SuperH」,ミドルレンジには「RX」,ローエンドには「78K」と「R8C」を割り当てる。いずれも成長分野と位置付けており,事業を縮小する考えはない。また,中国でのマイコン事業を強化するため,現地社員をトップとし,マーケティングから設計,販売,生産(後工程)までを手掛ける組織を2010年10月1日に中国の現地販売法人内に発足させる。

 アナログおよびパワー半導体事業では,電源分野と自動車分野を拡大・成長事業と位置付け,マイコンと組み合わせたキット・ソリューションなどにも力を入れる。

 経営統合によるシナジーとしては,2010~2012年度累計で約400億円のコスト削減効果を見込む。これは開発環境や技術プラットフォーム,各種インフラを統合する効果による。販売チャネルに関しても,国内の特約店を半減させるなど,最適化を図る。

 2010年度に770億円の特別損失を計上して実施する構造改革と,経営統合によるシナジーの両者によって,2010~2012年度累計で約1100億円のコスト削減効果を見込む。構造改革では,5000人規模の人的効率化対策を,主に2010年度に実施する。5000人のうち,1000人は社内における配置転換などであるため,実際に削減するのは4000人規模となる。また,Nokia社の通信モデム部門買収によって1100人が加わるため,正味の人員減は3000人相当となる。

 先端プロセスに関しては,山形および那珂(なか)の300mmラインで対応する技術世代を40nm世代までとし,それ以降の微細化開発と量産を凍結する。代わりに,32/28nm世代以降の先端プロセス品の量産は,台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing社(TSMC)と米GLOBALFOUNDRIES社のファウンドリー2社に全面委託する。なお,次世代の半導体プロセスの研究開発に関しては,米IBM社との共同研究に一本化する。

(日経エレクトロニクス 木村雅秀)

[Tech-On! 2010年7月29日掲載]


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