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フィギュア高橋大輔、貴公子と豪華共作
ランビエルが振付師に

2010/7/27付
ニュースソース
日本経済新聞 夕刊

 2006年トリノ五輪銀メダリストで、今年のバンクーバー五輪でも4位に入ったステファン・ランビエル(25、スイス)が今季、振付師としてデビューする。最初に手掛けたのはバンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(24、関大大学院)。ランビエル自らが売り込み、豪華なコンビが実現した。

バンクーバー冬季五輪のエキシビションで演技するランビエル(2月)=写真 小林健

バンクーバー冬季五輪のエキシビションで演技するランビエル(2月)=写真 小林健

 “氷上のアーティスト”と言われたランビエルには名プログラムが多い。トリノのフリー「四季」、バンクーバーのショートプログラム(SP)「ウィリアムテル序曲」、同フリー「椿姫」……。いずれも信頼する振付師との共作だった。

 「振付師は僕のアイデアを膨らまして作ってくれた。それに刺激を受けて、僕の表現の幅も広がっていったんだ」。第一線にいた選手が振付師としても活躍した例は少ないが、今度は自分が選手に刺激を与える番、とプロの振付師としての欲がわいてきた。

 今年4月、大阪で行われたショーの控室で、ランビエルは高橋に「手伝えることがあったら、喜んでやるよ」と話しかけた。以前から好きなスケーターだったそうで、「上半身の動きが素晴らしい」。表現力に定評のある、自分と似たタイプの選手だったことも、高橋を選んだ理由だろう。

バンクーバー冬季五輪第7日の18日(日本時間19日)、フィギュアスケート男子で高橋大輔(関大大学院)が銅メダルに輝いた。フリープログラムを演技する高橋=写真 小林健

バンクーバー冬季五輪第7日の18日(日本時間19日)、フィギュアスケート男子で高橋大輔(関大大学院)が銅メダルに輝いた。フリープログラムを演技する高橋=写真 小林健

 「ステファンは好きなスケーター」と言い続けていた高橋は「今まで戦ってきた人と作るのも面白い。彼の動きが吸収できたらいい」。数週間後に「スイスに行く」と伝えた。

 連絡を受けて「ものすごい興奮した」というランビエルがSP用に提案した曲は映画「アメリ」のサウンドトラックと、王道のクラシック音楽。高橋は後者を選んだ。ランビエルが自分で滑ろうとしたがうまくいかず、断念した曲だった。「大輔は予期しない動きをするんだけど、それが『ああ、こうやってほしかったんだ』という感じなんだ」。あっという間に完成、時間が余ったためエキシビション用に「アメリ」も振り付けた。

 今季は高橋のほかに、バンクーバー五輪11位のデニス・テン(17、カザフスタン)も担当する。「彼らを通して、自分が無意識にしていたことを頭や映像に残せたのが収穫」という。演技に没入すると自然と体が動いてしまい、どう踊ったか全く覚えておらず、再現できないことが度々あったからだ。

 ランビエルと高橋の共作は、既に海外でも話題だ。ランビエルは試合のリンクサイドにも立つのか。「そんな重責に耐えられる? 試合では、密接なスタッフと過ごすことが大切。僕をその一員に思ってくれるなら喜んで立つけど……」。今は自ら滑る方がずっと楽という。振付師として冷静に試合に臨めるのは、まだ先になりそうだ。

(原真子)


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