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セリーグ 深刻な球団格差

2010/6/10 7:00
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 セ・リーグ下位球団はこのままマイナー化していくのか。ヤクルト投手陣がロッテに10者連続安打を喫した同じ夜、広島もオリックスに10人連続安打を喫した。とても日本プロ野球の“メジャー”同士の戦いにはみえなかった。

 集客力などリーグ全体の盛り上がりをみても、セ・パの立ち場が昔とは入れ替わった感がある。私が西鉄に入団した当時は巨人、阪神を中心とするセにかなわず、パの監督たちは「せめてグラウンドでは」と打倒セに血眼になったものだった。

 球宴では西鉄・三原、南海・鶴岡の両監督とも「勝機があれば、最後はエースをつぎ込む」と宣言していた。パにとっては死活問題で、おちゃらけたムードが生まれる余地はなかった。今のセにかつてのパの必死さが必要だ。

 今年の球宴も放っておくとお遊びになるだろう。だからセの原監督は球宴の真剣勝負を宣言し、ベストの編成をしてほしい。まんべんなく選手を出すのでなく、勝利を目指すこと。何より選手が危機感を持ち、本気にならなければいけない。セの盛り返しは球宴の正常化から始まる。

 セ・パ交流戦はみんなうすうす感じてはいるけれど口にしてこなかった懐疑を、明るみのもとにさらした。巨人、阪神、中日が、ひごろ下位相手に積み重ねている勝ち星の価値はいかほどのものか、という懐疑を。

 リーグにメジャーでないチームを抱えることは全体の地盤沈下を招く。大リーグが球団間の貧富の差をいわれながら永らえているのは、過去10年のワールドシリーズで、入れ替わり立ち替わり8球団が世界一になるなど、ファンの気をそらさないようにできているからだ。

 日本でも地道に頑張っている広島あたりが、10年にいっぺんぐらいは優勝できるようにしないと、忍耐強いファンもしびれを切らす。

 セの上位は「ルールにのっとって補強している」というだろうが、興行として成り立たなければ元も子もない。オーナーたちで緊急ミーティングを開いてはいかがか。それくらい事態は切迫している。(野球評論家)


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