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首都圏は70万円 一人暮らしの初期費どう減らす
UR・レンタル・100円ショップ…

2012/2/22 7:13
ニュースソース
日本経済新聞 プラスワン

 春は進学や転勤などで引っ越す人が多い季節。実家や自宅から離れて心機一転、一人暮らしを始める人も多いだろう。単身生活は気ままな半面、賃貸住宅の契約や家電製品、日用品などの購入に多額の初期費用がかかる。負担の軽い一人暮らしの始め方を考えてみた。

 「首都圏で一人暮らしを始めるには70万円程度かかる可能性がある」。アドバイザーの河野真希さんは指摘する。(1)住まいを借りる費用(2)引っ越し代(3)家電製品の購入費(4)日用品をそろえるお金――など、初期費用は大きく4つに分けられる。「毎月の生活コストにも影響するので、少しでも減らしたい」(河野さん)

 膨らみがちなのが住居費だ。アパートなどを借りる場合、一般に敷金、礼金、仲介手数料など家賃の5~6カ月分を用意する必要がある。首都圏では単身者の平均家賃は6万円程度なので、入居時は30万円以上かかってしまう。

 節約アドバイザーの和田由貴さんは「都市再生機構(UR)が管理する賃貸住宅がおすすめ」と話す。礼金、仲介手数料などがかからず、学生でも借りられるものもある。

 「民間の物件なら値下げを交渉してみるといい」。大阪府の会社員、べんけいさん(ハンドルネーム、33)は指摘する。空室が複数ある物件なら、家主が応じる可能性がある。値下げ幅を5000円程度と控えめにするのも秘訣。「1万円以上だと支払い能力を疑われて貸してもらえない」(べんけいさん)という。

 春は賃貸物件が続々と出てくるので、インターネットの情報サイトなどをこまめにチェックしよう。最近は民間でも礼金のいらない物件が増えている。住宅情報会社のアットホーム(東京都大田区)では「古い物件も含めて検討すれば、条件の良いものが見つかる可能性がある」と話す。

 家電製品や日用品の調達は、暮らす期間や食生活のスタイルで変わってくる。

 静岡県の会社員、友墨一朗さん(ハンドルネーム、58)は8年前に単身赴任を始めたとき、中古品を中心に家電製品をそろえた。ただ、友墨さんは「テレビは故障で買い替えざるを得なかった。赴任終了後に家財を持ち帰ったので保管場所にも困った」と話す。

 友墨さんのような単身赴任や、大学の進級に合わせてキャンパスを移るなど暮らす期間が決まっているなら、レンタルを使う方法もある。故障しても交換できるうえ、終了後は引き取ってくれるのでリサイクル費用がかからない。

 外食中心なら冷蔵庫、洗濯機に電子レンジ、テレビの4点があれば十分だろう。家電・家具レンタルのサークランド(東京都江戸川区)が運営する「かして!どっとこむ」では、中古品4点セットのレンタル料金(2年間)は新品の購入費に比べて約半額という。

 「代わりを見つけ、買い過ぎない工夫も大切」(河野さん)だ。テレビやオーディオ機器は、パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)で代用できる。電子レンジを使えばお湯も沸かせてご飯も炊けるから、電気ポットや炊飯ジャーはなくても可能だ。

 調理器具や日用品は100円ショップで購入すると安く済む。「3000~5000円でほとんどそろえられる」(和田さん)。電子レンジを使って簡単に料理できる器具など、自炊派の強い味方になる品物も豊富に扱っている。

 家電製品や日用品を上手に絞り込んで、転居先で調達すれば引っ越し費用も節約できる。自宅から持ち出す荷物を衣類など必要最低限にとどめ、宅配便やレンタカーなどを使って自分で運べば安上がりだ。

 「初期費用を減らし、給料やアルバイト代でおカネに余裕ができたら、生活スタイルに合わせて好みの品物を買いそろえるのがいい」(河野さん)。現実を見極め、堅実な一人暮らしを始めたい。

(苅谷直政)

[日経プラスワン2012年2月18日付]


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