高知県は来年度から防災産業と新エネルギー関連産業の振興に乗り出す。津波避難タワーなど防災関連設備の開発費を助成するほか、市町村などが設備を導入する際の助成制度を新設する。新エネルギー関連では大規模太陽光発電所(メガソーラー)を運営する特別目的会社(SPC)に出資する。南海地震対策を急ぐ高知県では、防災関連産業と新エネルギー関連産業を「これからの50年を支える新産業」(尾崎正直知事)と位置付け、開発や事業化を後押しする。
県は9日発表した2012年度予算の見積もり概要に、防災関連産業振興事業費として約5000万円、メガソーラーを運営するSPCへの出資金約5400万円をそれぞれ盛り込んだ。
防災産業の振興策として、年度内に産学官の「防災産業交流会」(仮称)を設置する計画。交流会には県や市町村のほか地域の自主防災組織、民間企業、大学、県工業技術センターが参加する。県内の企業が取り組んでいる防災技術や工法、防災商品などの情報を収集し、新たなニーズや既存設備の改良点などについて意見交換する。
交流会での意見を基に技術開発を促す助成金として1200万円を計上。具体的には津波避難タワーや避難誘導灯、マルチ照明など防災関連装置の開発費の2分の1を助成する。来年4月にも開発案件の募集を始める。応募が多ければ、食品加工などの開発補助金を流用することも検討する。
県内企業が開発した装置の公的調達も後押しする。県や市町村、自主防災組織が装置を導入する際、県外大手による格安の競合製品との価格差を縮めるため、3500万円を助成費として盛り込んだ。県外市場にも通用する技術や設備は、全国ベースの展示会などで県がブースを設け、販売の拡大を支援する。
新エネルギー関連では、来年7月からの国の電力買い取り制度の開始を念頭に置き、県内民間企業が主導して来年度に立ち上げるメガソーラー運営のSPCに出資する。
候補地に挙がっている安芸市の農場跡地(12.5ヘクタール)、香美市の旧林業試験場跡地(4.5ヘクタール)、高知市の高知競馬場の駐車場(2ヘクタール)など7カ所で今月中旬から来年2月まで現地調査を実施する。県や民間団体で11月に発足した「こうち再生可能エネルギー事業化検討協議会」が適地を選定し、発電事業の収支計画を作成する。
県はSPCに自らが出資するだけでなく、出資者も募る方針。同年度に着工し、13年度の稼働を目指す。設置するメガソーラーは出力で2メガワット程度を想定しており、事業費は10億円程度を見込んでいる。
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高知県が9日に発表した2012年度当初予算の見積もり概要では、一般会計の総額は11年度当初予算に比べ2.9%増の4462億2600万円。見積額が前年を上回るのは4年連続となる。南海地震対策関連費は84%増の198億1500万円。経済の浮揚を目的とする産業振興計画関連は35%増の185億4600万円で、中小企業の耐震化支援などの新制度を盛り込んだ。
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