英国では5月に行われた総選挙で13年ぶりに政権が交代し、保守党のキャメロン党首が戦後最も若い首相に就任した。ただ、保守党は第1党としては36年ぶりの過半数割れとなり、自由民主党と戦後初の連立政権を組む記録ずくめの結果になった。多くの国が議会制民主政治の手本としてきた英国政治の地殻変動にはどんな意味があるのか。保守党の下院議員の経験があり、一代貴族(上院議員)でもある作家のジェフリー・アーチャー氏に聞いた。
――今回の選挙をどう位置付けますか。

「歴史の転換点だと思う。個人的には保守党の単独政権を望んでいたが、そうはならなかった。キャメロン氏と(自民党党首の)クレッグ副首相はともに43歳。世界の変化が加速するなか、私のような老人が口を挟む余地はない。若い彼らが国家が新たなシステムを必要としていると考えるなら、われわれの時代は終わったと悟るしかない」
「(保守党党首だった)サッチャー元首相は決して妥協を好まず、決断を下すのは自分なのだという強力な信念があった。自民党と組むなどという考えは決して認めなかっただろう」
――世界の手本となってきた英国の二大政党政治は変わりますか。
「モデルとされるのは悪いことでないが、現実は刻々と変化する。選挙集会へ行けば、保守党と労働党の二大政党がいかに老いているかがわかる。参加者は政治を愛する年金生活者ばかり。クレッグ氏がもたらした良い変化のひとつは若い人々を投票所に向かわせたことだ。若者たちは古い政党政治への関心を失い、政治を自分たちに関係ないことだと考えていた。自民党の政治集会への参加者は二大政党に比べてずっと若い」
――英国には若い政治指導者を生む仕組みがあるのでしょうか。
「労働党のブレア元首相も43歳で首相になった。しかし、キャメロン氏もクレッグ氏も誤って党首に選ばれたようなものだ。2005年の保守党党首選では有力候補のひとりがひどい内容の演説で失敗し、ノーマークだったキャメロン氏が当選した。本人が最も驚いただろう。クレッグ氏も党首の本命候補ではなかった。結果的にこれは英国にとって幸運なことだった」
ジェフリー・アーチャー、キャメロン、クレッグ、二大政党、自由民主党、保守党、政権交代、EU、世界を語る
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