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日銀総裁「電力不足に強い懸念、生産の海外移転を警戒」 (7月12日会見要旨)

2011/7/13付
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  本日の金融政策決定会合の結果は。

  無担保コール翌日物金利を0~0.1%程度で推移するよう促す金融市場調節方針を維持することを全員一致で決定した。中央銀行間で取り決めたドル資金の通貨交換(スワップ)協定の2012年8月1日までの延長も決めた。

 景気の現状については、東日本大震災による供給面の制約が和らぐなかで持ち直しているとして、先月に引き続いて判断を進めた。震災後に大きく落ち込んだ生産活動は、サプライチェーン(供給網)が当初の見通しを上回るペースで着実に修復されるなど、供給面の制約が和らぐなか、このところ持ち直しの動きが明確になっている。夏場の電力問題は当初懸念されたほどには経済活動の大きな制約にはなっていない。

 先行きについては供給面での制約がさらに和らいで生産活動が回復するにつれ、輸出の増加や復興需要などから、11年度後半以降は緩やかな回復経路に戻っていくと考えられる。11年度の成長率は4月時点から、いくぶん下振れる見通しとなったが、震災直後の落ち込みによる統計上のゲタの下振れが影響している。

 リスクとしては、家計マインドを通じた震災の影響になお注意する必要があるとみている。やや長い目で見た電力の供給制約については定期点検終了後の原子力発電所の再稼働の問題から、不確実性が幾分増していると考えられる。海外経済に関しては、バランスシート調整が米国経済に与える影響や、欧州の財政問題に引き続き注意が必要である。新興・資源国では金融引き締めにもかかわらず、インフレ圧力が沈静化してこない。物価安定と成長が両立する形で経済がソフトランディングできるかどうか、不確実性が大きいと考えている。

 日銀は包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には適切な措置を講じていく方針である。

  企業生産についての展望は。

  7~9月期には生産が震災前の水準に回復すると判断している。震災に伴う供給制約が解消された後は世界経済の成長率に大きく左右される。米欧の成長ペースや、新興・資源国経済のソフトランディングには不確実性が多い。国内では、やや長い目で見た電力の供給制約が生産活動に与える影響や、企業や家計の中長期的な成長期待などを注意深く点検していく必要があると考えている。

  欧州の財政問題をどう見ているか。

  ギリシャ議会で財政の中期計画が承認された後も、ギリシャの国債利回りは高水準で推移している。イタリアやスペインでも国債利回りが上昇するなど、不安定な状態が続いている。過剰債務の圧縮への道筋を付けるには、緊縮財政と並行して、競争力強化に向けた構造改革や金融システムの安定化など、成長力を高める施策を進めていく必要がある。

  来年春までに国内のすべての原発が停止しかねないという指摘がある。

  原発すべてが稼働を停止した場合、電力供給の減少を完全に補うのは難しい。電力不足が恒常化すれば、経済活動を制約する可能性が高い。より長期的な観点からは、電力の安定供給に対する懸念やコストの増加が日本経済の中長期的な成長力を低下させるリスクも認識しておく必要がある。電力不足による生産の海外移転のリスクは日本の潜在成長力の低下を引き起こす。これについては強い懸念を持っている。

  ユーロの混乱で円高が進んでいる。

  欧州経済そのものをリスク要因として認識している。為替相場の動向については注意深く見ていきたいと思っている。

  震災復興などに関する政府の決定が遅れがちだが。

  日本経済ができるだけ早く復興していくためには、政策的な不確実性を小さくし、必要な政策を速やかに実行することが非常に大事だ。

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