損失隠しはあったものの、本業は好調で財務内容も強固――。オリンパスのそうしたイメージに陰りが出ている。2011年4~9月期連結決算はカメラ事業の不振で323億円の最終赤字となった。過去の決算を訂正した結果、資本基盤も弱まった。近く始動する経営改革委員会は、経営再建と信頼回復の重責を担うことになる。
オリンパス株主の持ち分である連結純資産は今年9月末時点で459億円。3月末(訂正前)の1668億円から減った。要因は2つある。
一つは財テク損失など簿外損失決算に反映させたことだ。合計1348億円の含み損の大半を06年3月末に反映し、07年3月期以降についても損失を計上した。今年3月末の利益剰余金は1135億円と、訂正前から569億円減った。
■販売競争が激化
11月に損失隠しが発覚した直後、高山修一社長は「製品のブランド価値は変わっていない」と強調した。しかし競争激化のあおりで、デジタルカメラは一部製品の価格が下がっている。
世界シェア7割を誇る内視鏡は好調で、医療事業は4~9月期に283億円の営業利益を稼いだ。ただ、同社は「損失隠しが販売に与える影響を算定できない」として、12年3月期の連結業績予想を取り下げた。
■手元資金は潤沢
9月末の手元資金は2331億円と前年同期を14%上回り、高水準だ。主力銀行も融資を継続する方針で「資金繰りに困ることはない」(広報・IR室)。その一方、格付投資情報センター(R&I)は14日、オリンパスの発行体格付けをトリプルBプラスからトリプルBマイナスに引き下げた。米国での訴訟の動きや経営環境の変化で「さらに資本が目減りするリスクがある」と指摘した。
オリンパスはコーポレートガバナンス(企業統治)強化の柱として設ける経営改革委員会に、旭化成の蛭田史郎前社長ら3人を迎え入れることを決めた。同委は高山社長の後任選びから事業見直しまで、取締役会が株主総会に提案する全案件について審査する権限を与えられ、経営再建のカギを握る存在となる。
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