東京電力は8日、東日本大震災で被災し、冷温停止状態になっている福島第2原子力発電所を震災後初めて報道機関に公開した。福島県などの立ち入り調査に伴う公開。1号機原子炉の建屋には巨大津波の爪痕が生々しく残り、室内には仮設の電源ケーブルが張り巡らされていた。
県や同原発が立地する富岡町、楢葉町の調査団はこの日、1号機原子炉建屋で、津波で浸水した非常用発電機の復旧状況や、使用済み燃料の保管状況を確認。4号機原子炉格納容器内では主蒸気隔離弁や再循環ポンプ、原子炉下部の基礎台を視察した。
津波被害が最も大きかったのは、原子炉につながる海沿いの冷却装置がある建屋。4棟すべてが浸水。壁に地上約3メートルまで黒ずんだ汚れが残り、大量の海水が押し寄せたことがわかる。出入り口を閉ざす鉄製のシャッターはゆがんでいた。
建屋が水浸しになった影響で従来の電気系統が使えないため、室内の床には仮設の電源ケーブルが張り巡らされ、天井の照明も仮設のまま。東電によると、冷却装置への電力供給は延べ約9キロに達する仮設電源ケーブルを使用しているという。
非常用の電源装置が故障した1号機の原子炉建屋は、海水が浸入した空気口をベニヤ板で封鎖。この日は設備の細かい点検や耐震補強の工事中で、作業服姿の担当者が慌ただしく行き交った。
津波が既存の防波堤を乗り越えた1号機の南側には高さ約4メートルの土のうや仮設の防波堤を設置。敷地内は最大で深さ70センチにわたり地盤沈下したといい、建物と敷地の至る所に亀裂や段差ができていた。同原発の設楽親副所長は「あくまで応急処置。安全基準や設備などは必要があれば見直していく」と説明した。
東電によると、第2原発の4基は昨年3月11日の東日本大震災発生時、いずれも稼働中。海面からの高さ5.2メートルの想定を上回る6.5~14メートルの波が到達し、1、2、4号機の原子炉の冷却用に海水を送るポンプが一時停止した。3基の原子炉は同15日朝までに温度が100度以下になる冷温停止状態になった。
東電が1月31日に提出した復旧計画では、冷温停止の維持を確実にする2012年度までに非常用ディーゼル発電の改修や設備の防水化などの安全対策を実施する予定。
東京電力、福島第2
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