【シリコンバレー=岡田信行】半導体最大手の米インテルは19日、情報セキュリティーソフト大手の米マカフィーを約76億8000万ドル(約6550億円)で買収すると発表した。インターネット経由でソフトや機能を提供する「クラウドコンピューティング」の普及をにらみ、次世代の製品開発にセキュリティー技術を生かす。米IT(情報技術)大手の間で機器・部品(ハード)とソフトの垣根を越えた総合化がさらに加速しそうだ。
両社の取締役会が合意した内容によると、インテルがニューヨーク証券取引所に上場しているマカフィーの発行済み株式を1株当たり48ドルで買い取る。買収は現金で、マカフィーの株主総会と関係当局の承認を得られ次第、手続きに入る。インテルは年内には買収を完了したいとしている。
インテルはマカフィー買収後、同社をソフトウエア・サービス部門傘下の子会社として存続させる。半導体設計や次世代の製品開発にセキュリティー技術を反映させるほか、顧客企業に半導体とソフトの両方を提供できる態勢を整える。2011年初めには「提携の成果となる製品を投入したい」(インテル幹部)としている。
インテルのポール・オッテリーニ最高経営責任者(CEO)は19日のネット上での買収会見で「コンピューターの世界ではセキュリティーが省電力、インターネット接続性と並ぶ重要な課題となっている」と説明。「同分野で実績のあるマカフィーを加え、製品・サービスを拡充する」と買収の意義を強調した。
米調査会社ガートナーの最新の予測によれば2010年の世界のセキュリティーソフトの市場規模は前年比11.3%増の165億ドルへ伸びる見通し。金融危機後の09年は前年比7%増に伸びが鈍化していたが、企業はセキュリティー分野に予算を優先的に配分する姿勢を見せているという。
米IT大手は手元資金が急増。積極的なM&A(合併・買収)を展開している。ソフト大手のオラクルはサーバー大手のサン・マイクロシステムズを買収。5月にはIBMがAT&Tグループの企業向けソフト開発会社の買収を発表した。ヒューレット・パッカード(HP)も携帯端末大手のパーム買収を決めた。
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