4~6月期の決算で業績が好調な日本企業の多くが、中国での販売増を主因にあげている。だが、業種によっては中国需要の伸びに陰りが出始めている。中国で鋼材の在庫が膨らんで日本の鋼材の相場にも影響が出ている。電子部品などの対中輸出も減ってきた。日本の6月の鉱工業生産指数が4カ月ぶりに低下した主因の一つは、中国の需要鈍化だ。
需要が鈍っているのは一時的な現象との見方も多いが、中国の景気動向に細心の目配りが必要だ。
中国の4~6月の実質国内総生産(GDP)は前年同期比10.3%増となった。11.9%増だった1~3月と比べると減速しており、減速傾向は7月以降も続いているもようだ。その背景には、中国政府の不動産バブル抑制の動きがある。
中国の主要70都市の6月の不動産販売価格は前月比で0.1%下落、1年4カ月ぶりにマイナスに転じた。4月から不動産融資の規制を強化するなど、中国政府のバブル抑制策が一定の成果をあげた格好だ。
それでも前年同月に比べれば11%以上も高い。「相場高騰で住宅に手が届かなくなった」との中間層の不満も考慮し、中国政府は不動産バブル抑制を続ける方針。金融当局は銀行に対する監督で特に不動産融資への監視を強める姿勢を示している。
持続的な成長に向けてバブルを早めにつぶすことは望ましいが、景気との両にらみで微妙なかじ取りが必要な局面だろう。
リーマン・ショック後の金融緩和策は、投資と消費の両面で中国経済の急回復を先導した。不動産市場の活況が建設投資の拡大を引っ張る効果もあった。バブル対策で金融を引き締め過ぎれば、景気を下押しする可能性は無視できない。特に不動産価格が急落すれば、建設投資の停滞にとどまらず、銀行の不良債権増加につながるおそれもある。
中国の景気動向が日本企業の生産や収益に及ぼす影響は極めて大きくなっている。日本だけでなく、世界の企業業績や景気にとって中国の重みは増す一方だ。利上げや本格的な総量規制などさらに強い引き締め策の現段階での発動には慎重なようだが、中国のバブル抑制策の行方とその影響を注視し続ける必要がある。
決算、GDP、中国、不動産融資、鋼材
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