パナソニックは3日、2012年3月期連結最終損益(米国会計基準)が7800億円の赤字(前期は740億円の黒字)に膨らむと発表した。子会社化した三洋電機の収益低下に伴う減損損失など約7600億円の構造改革費用を計上、円高やタイ洪水被害も響く。大坪文雄社長は「(業績悪化の)責任の重さを痛感している」と語った。環境事業の強化を軸に「収益構造の変革を急ぎ業績のV字回復を果たす」と強調した。
パナソニックが計上する7800億円の最終赤字は日立製作所がリーマン・ショックのあった09年3月期に計上した7873億円と並び、製造業として過去最大規模。
大坪社長は「課題と認識しているものをすべて出し切り、新しい方向に進む」と述べた。具体的には発電効率が世界で最高水準にある高性能太陽電池の販売を伸ばす。12年末には約450億円を投じてマレーシアに新工場を建設する。
車載用のリチウムイオン電池は、12年度に11年度比5倍超の売上高を見込む。トヨタ自動車のプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」への供給を始めるなど、世界の主要5社で10車種以上への採用が決まったという。
プラズマパネルでは「電子黒板」など新市場に参入し、テレビ以外の用途を開拓する。白物家電は12~13年にインド、ブラジル、ベトナムで相次ぎエアコンや洗濯機などの新工場を建設。2桁成長を維持する計画だ。
13年3月期はテレビ事業の再建など構造改革の効果などで2500億円の収益改善を見込む。
12年3月期の赤字額が従来予想の4200億円から7800億円に拡大するのは、09年に三洋電機買収で発生した「のれん」と呼ぶ資産の減損処理として新たに2500億円の損失を計上することが主因だ。
景気減速や円高で、通期の売上高も8%減の8兆円と、従来予想を3000億円下げた。テレビは年間販売台数の目標を1800万台に見直した。従来予想を100万台減らし、前期実績を11%下回る。タイの洪水被害が営業利益で600億円の減額要因となった。
「のれん」の減損処理は買収した企業が想定していたほど利益が見込めなくなった場合に計上を迫られる。成長分野と期待する電池事業でも韓国メーカーとの競争激化で利益率が低下しており、価格競争力をどう高めるかが課題になる。
大幅な赤字計上で自己資本比率は昨年末の33%から「3月期末に29%まで低下する」(上野山実常務)。財務体質の改善策も求められそうだ。
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