【パリ=古谷茂久】ギリシャ政府は9日、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が次期金融支援の条件として求めていた緊縮策を受け入れることで連立与党3党と合意したと発表した。これを受けてユーロ圏諸国は同日夜(日本時間10日未明)に財務相会合を開き、同国向け支援の是非を協議する。金融支援が実行される公算が大きくなり、ギリシャは無秩序なデフォルト(債務不履行)の回避に向け大きく前進する。
パパデモス首相は「ユーロ圏の会合を前に、新たな財政緊縮策について合意が得られた」などとする声明を発表した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も同日、フランクフルトで「ギリシャの首相から主要政党が(緊縮策で)合意に達したとの連絡を受けた」と述べた。
ギリシャが受け入れた緊縮策は(1)公共投資や国防費の圧縮などを通じ、今年の歳出を国内総生産(GDP)比で1.5%削減する(2)新たな就業者について、最低賃金を現状(月額約750ユーロ=約7万7000円)から22%引き下げる(3)公務員を1万5000人削減する――など。ギリシャは2010年から国際社会による支援を受けている。だが、財政再建が想定通りに進んでいないことから支援側のEUとIMFが次期支援の前提条件として新たな緊縮策を提案し、受け入れを迫っていた。
国民の反発が強い年金支給の減額については各党とも8日の協議では受け入れに難色を示していたが、デフォルトの危機を目前に首相の説得で同意したとみられる。ただ、年金削減では合意できず、別の歳出を削減することが決まったとの報道もある。いずれにせよ、ギリシャ議会は10日以降、緊縮策に関する法案の成立を急ぎ、改革を断行する姿勢を国際社会にアピールする。
ギリシャが支援条件を受け入れたことで、EUとIMFは、ギリシャ向け次期支援1300億ユーロの正式決定に向け調整を本格化する。これとは別に民間側の支援として、ギリシャ国債を保有する債権者団は近く自発的な債務削減に関する最終決定をする。民間債権者を束ねる国際金融協会(IIF)は、ギリシャ連立与党が緊縮策を受け入れるかどうかを見極めた上で態度を決めるとの立場をとっている。今回のギリシャ与党各党の合意で、協議にはずみがつくと期待される。
官民による次期支援が固まればギリシャは当面の資金繰りのメドが立つ。同国は3月20日に約145億ユーロの国債大量償還を控えるが、EU・IMFによる支援が決まればデフォルトは回避。ギリシャは14年ごろまでの資金を確保することになる。
IMF、ドラギ、EU、ギリシャ
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