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最高裁、裁判員判決を支持 逆転有罪の二審破棄

2012/2/14 0:59
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 覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪に問われ一審の裁判員裁判で初の全面無罪となり、控訴審で逆転有罪となった会社役員、安西喜久夫被告(61)の上告審判決が13日、最高裁であった。第1小法廷(金築誠志裁判長)は「控訴審が事実誤認を理由に一審を覆すには、一審の論理則、経験則違反を具体的に示す必要がある」との初判断を示した上で、控訴審判決はそれを示せていないとして破棄した。無罪が確定する。

 裁判員裁判による無罪判決が上告審で確定するのは初めて。5人の裁判官全員一致の判断。

 高裁の裁判官が一審と異なる心証を得ても、論理的な整合性や一般的な常識に照らして不合理だと具体的に指摘できない限り覆せないとしたもので、一審無罪に対する検察側控訴の判断にも影響を与えそうだ。

 問われたのはチョコレート缶に隠した覚醒剤をマレーシアから密輸しようとしたとされる事件。被告は別の覚醒剤密輸事件で裁判中の外国人から渡航費用を受け取り、缶とは別に偽造旅券を持ち込んだことは認めたものの、缶に覚醒剤が入っているのは知らなかったと主張した。

 一審・千葉地裁は「被告の言い分が作り話とはいえない」として無罪としたが、二審・東京高裁は被告の供述が変遷したことや、渡航費用を受けていたなどの事情から「総合すれば覚醒剤密輸の認識があった」として懲役10年、罰金600万円の逆転有罪とした。

 同小法廷はまず、控訴審を「一審に事後的審査を加えるもの」と指摘。事実誤認を理由に一審を覆すには「一審の事実認定が論理則、経験則に照らして不合理だと具体的に示す必要がある」との基本原則を初めて示し、「裁判員裁判を機に(法廷でのやりとりを重んじる)直接主義・口頭主義が徹底された現状では(この原則が)より強く妥当する」と明言した。

 その上で今回の事件について「控訴審の判断も理解できないわけではないが、被告の言い分も必ずしも不合理とは言い難く、一審のような評価も可能だ」と指摘。控訴審判決は一審判決の不合理さを十分示せておらず、検察側控訴にも理由がないと結論付けた。

 白木勇裁判官(裁判官出身)は補足意見で「従来の控訴審実務では、自らの心証に従って一審を変更する場合が多かったが、裁判員制度導入後はこうした手法は改める必要がある」と指摘。市民の様々な感覚や視点を反映する裁判員裁判の判断には、ある程度の幅があることを了解しなければ「制度が成立しない」と述べた。

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