「建物の機能や立地などの条件から地道にアプローチした結果、葉っぱがねじれたような形が出来上がった」。
こう話すのは日本設計プリンシパルデザイナーの篠崎淳氏。同氏のチームが設計した新宿御苑大温室(東京都新宿区)の建て替え工事が、最盛期を迎えている。
最新の環境技術を盛り込んで、温室建築ならではの工夫を施したのが特徴だ。
例えば、冬季の暖房負荷を抑えるために、透明の複層ガラスでできた外装の面積を小さくする必要があった。そこで、屋根から北側の壁に至る断面を連続したアーチ形状にした。単純梁を並べた水平の屋根と比べて、鉄骨の梁せいを抑えられ、温室内に影ができにくいという効果もある。屋根は三角形のフレームを組んだ単層ラチスシェル構造を採用した。
一方、夏季は温室内に熱をため込まず、室温を外気温に近づけるための工夫が求められた。そこで、庭園の広がる温室の南面に、垂直の大きなガラス壁を配置。吸気口から風をふんだんに取り込めるようにした。
温室では、暑さに弱いランなどの植物も栽培する。そこで、深さ5mほどの地中に埋設したクールチューブからファンで冷たい空気を送り、「冷気だまり」ができる空間を設けた。
1つの大温室の中を仕切らずに環境の異なる空間をつくるのは、恐らく初めてのこと。「夏でもこうした換気だけでほぼ乗り切れる。一般の建築にも応用できるだろう」と篠崎氏はみる。
温室、新宿御苑、日本設計、換気、複層ガラス
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