「+YOU(プラス・ユー)~一人ひとりがニッポン経済」という日本経済応援プロジェクトをご存じでしょうか。東京証券取引所グループが特定のテーマや指標などをベースに、関連する銘柄をピックアップして公表しているものです。
7月に公表された第1弾のテーマは、Environment(環境)、Social(社会)、Government(企業統治)の頭文字をとった「ESG」です。これらの社会的要請に前向きに取り組む上場企業としてアサヒグループホールディングス、出光興産、東レ、ツムラ、日産自動車、アサヒホールディングス、コマツ、日本電産、KDDI、大阪ガス、東京急行電鉄、伊藤忠商事、ファーストリテイリング、三菱UFJフィナンシャル・グループ、リコーリースの15社を選定。投資家にアピールし、活動を後押しする狙いです。
8月には第2弾として「特許価値」がテーマでした。東証2部とマザーズの上場企業に限定し、各社が持つ特許にどれだけの価値があるかによって企業を選定しています。新田ゼラチン、ソフト99コーポレーション、黒田精工、マミヤ・オーピー、JFEシステムズ、日本食品化工、エスビー食品、戸上電機製作所、指月電機製作所(以上、東証2部)、駅探(マザーズ)の10銘柄です。
第3弾のテーマは「なでしこ銘柄」(仮称)で、東証1部から女性が活躍できる上場企業としてまず約100社を選定。この中から自己資本利益率(ROE)などの財務指標が優れた15~20社ほどを「なでしこ銘柄」として2013年2月をメドに投資家に公表する予定です。また将来は、約100社で構成する株価指数をつくり、その株価指数に連動する上場投資信託(ETF)をつくることも検討しています。
選定の基準は、管理職に占める女性比率や育児支援制度の利用率、有給休暇の消化率がそれぞれ高いことなどが決め手になりそうです。東証としては、欧米諸国に比べて遅れている女性の社会進出を後押しするとともに、特に女性の個人投資家が銘柄を選ぶ際の参考にしてもらう狙いがあります。
有力な投資対象になるかどうかの判断基準は女性の役員や管理職の多さだけではなく、あくまでも業績や財務内容、今後の成長力が重要になります。それでも、女性の社会進出に積極的な企業を選んで世間に公表し、投資を促すことによってこれらの企業を支援し、女性が働きやすい環境づくりに役立つのであれば、それはそれで意義のあることです。