公認会計士の平林亮子です。破たんがすぐそこに迫っているのではないか……、公的年金にはそんな噂が絶えません。その公的年金の基本的な仕組みを改めて確認しながら、豊かな老後のための「じぶん年金」のつくりかたをこの連載で提案していきます。
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「あれ?」。預金通帳を見た父が首をかしげたので、私は「どうしたの?」と言って父の顔を見ました。「……いや、年金がね、減っているみたいなんだ」。父は通帳をめくり、過去の金額と比べてそう言いました。父は、困ったような悲しそうな表情を浮かべていました。
……これは近い将来生じるであろう“事実”です。
2013年の10月から2015年の4月にかけて、年金の支給額が徐々に減るという法律が成立しているのです。厚生年金の標準世帯で試算すると、2015年の4月は2012年の年金水準と比較し、毎月5900円の減額になります。
年金の支給は2カ月に1回ですから、振り込まれる額でみると、1万1800円も減額になるということ。年金で生活する世代にとっては、死活問題になりかねません。
年金は支給されて当然という位置づけが揺らいでいます。だからこそ、自分自身で老後を支える「じぶん年金」が重要なのです。
ちなみに今回の年金の減額は2012(平成24)年11月16日、民主党の野田政権(当時)が衆議院を解散する直前に、ギリギリで成立させた『国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律』によって決定されたものです。
解散の混乱の中、これまで法案が出てはいつの間にか消えていた年金の減額について、とうとう決断が下されたのです。ただし、今回の減額は、純粋な減額ではありません。1999(平成11)年から2001(平成13)年にかけて、本来、物価の下落に合わせて減額されるべき年金の額が、特例措置により減額されないまま保たれていたものを、解消しようとするだけのことです。