長くだらだらと要領を得ない話は、聞く方の注意力も散漫になります。「つまり、こう言うことでよろしいでしょうか」と念を押したくても、ポイントが抜けていて押せないこともあります。
雑談なら話の結末がどこに流れても構いませんが、仕事となるとはっきりさせなければ動けません。どのように聞き取ればいいのでしょうか。
まず、向き合い、うなずいて受けとめる。この基本は忠実に守りましょう。つい、面倒くさい、またか……という顔になりがちなので、気をひきしめます。
そのうえで、「繰り返し」のあいづちを上手に使っていきます。いわゆるおうむ返しの最もシンプルな方法で誰にでもできます。
たとえば相手が気になる期限について話し始めたら「キゲン?」と、その単語だけをとり出し、疑問形で繰り返してみてください。するとそこに小さな会話が生まれ、期限を決めることにつながります。
知らない名前が出てきたら「タナベ?」、決めたい色の名が出てきたら「クロ?」など、応用が利きます。自分にとって仕事上必要かつ関心の高いところだけ繰り返すことで、タナベさんがどういう人かを知ることも、第一候補を黒にすることも可能になるわけです。
「繰り返し」には共感の気持ちを伝える効果があります。「ひとつ伺ってもよろしいでしょうか」と丁寧すぎる言い方をするよりも流れを分断せず、すんなりといきます。
(コミュニケーション塾主宰 今井 登茂子)
[日経プラスワン2010年7月24日付]
マナー、キゲン