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エコロ家のおきて

おでんに帽子、そのわけは

2010/11/13 7:00
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 寒さが増してくると恋しくなるのが鍋。私、鍋料理が大好きです。体が暖まりますし、かなりの野菜がとれて体にも良さそうというのが理由ではありますが、いくつもおかずをならべなくても、鍋料理だけで夕飯が成り立っちゃうという手軽さも、鍋好きの大きな理由であったりします。

鍋にも「防寒着」。じっくり熱が通り、おいしくなるうえ、冷めにくい
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鍋にも「防寒着」。じっくり熱が通り、おいしくなるうえ、冷めにくい

 食品メーカーのミツカンは月に4回以上鍋料理をする家庭を「お鍋ヘビーユーザー」と名付けています。我が家はもちろんヘビーユーザー。週に1回くらいは、何も献立が思い浮かばず「鍋にしちゃおう」という日がありますから。

 「鍋料理」の定番は、水炊きと寄せ鍋。スーパーに行くと、豆乳鍋やキムチ鍋、はたまたトマト鍋などのスープも売っています。魚や肉など具でバリエーションをつけるだけでなく、鍋そのものの味も、最近はずいぶんバリエーションも広がっているようです。

 寄せ鍋同様大好きなのが、おでんです。実は、鍋と言ったら「おでんでしょ」と思っていたのですが、ミツカンが今年9月に実施した調査によると、よく作る鍋料理の上位は寄せ鍋、水炊き、すき焼きの順。おでんは鍋のレパートリーの中に入ってなく、対象外でした。

 おでんは鍋料理じゃないのね。意外な気がして調べてみると、豆腐を串(くし)に刺して焼き、味噌(みそ)をつけて食べる豆腐田楽が始まりのおでんは、もともと串料理。それが次第に、豆腐だけでなく、こんにゃくや野菜などいろいろなものを焼くようになり、江戸時代になって、串に刺して焼いていたこんにゃくを煮込んだ「煮込みおでん」が登場、それが今のおでんの原型なのだとか。言われてみれば、煮立った鍋でササっと煮て食べる鍋料理と違って、おでんはじっくり煮込むからおいしいわけで、確かに鍋料理とは一線を画した料理なんですね。

 以前は我が家でも今日はおでんというときは、夕方から準備をはじめてコトコトおでんの具を煮込んでいました。そのにおいたるや、家の手前の角を曲がる時点で「あっ、今夜はおでんだってわかる」と夫が笑うほど。夕飯におでんを作ると、翌日までにおいが家にこもっているような気がして、そこが大好きなおでんの唯一の不満点でした。でも最近は鍋が沸騰したら魔法瓶のような外鍋に入れて保温しながら熱を通す保温調理鍋を使うようになって、この問題が解決しました。弱火でもずっと火を使っていると、おでんの蒸気が室内に出ていきますが、火からおろして保温すると蒸気が出ないせいでしょう、においがまったくこもらないのです。もちろん、火を使わないので省エネ効果もありますね。

 一昨年広島に行った時、省エネや家事についての勉強会をしている方々から、「鍋帽子」という手作りの鍋用の座布団とカバーをいただきました。保温調理鍋は専用の鍋と外鍋を買わなければなりませんが、これは包みこめるサイズのものならば、どんな形の鍋にも使えます。もちろん、土鍋にも。もともと、金属の鍋に比べると蓄熱性の高い土鍋ですが、鍋帽子に入れて保温しておくと本当に冷めにくく、じっくりと火が通るので、おいしくおでんができあがります。

 火をあまり使わないし、冷めにくいし、ちょっと冷めても火にかければあっという間にアツアツになるし、鍋帽子って便利だわ。知り合いにそういったら、以前カナダから来た修道女の人たちが使っているのを見たことがある、とのこと。寒い地域の暮らしの知恵からできたものなのかもしれません。最近は、ご飯やお湯の保温にも電気を使う傾向がありますが、こうやって覆って保温をする暮らしの知恵も残していきたいものだなぁと思います。

 さぁ、今年も立冬をすぎました。ここから寒さも本格化してきます。家族みんなで囲む今日の夕飯はお鍋にしましょうか、それともじっくり煮込んでおでん? 締めにうどんや雑炊にして、最後まで堪能できるのが鍋やおでんのいいところ。皆で温かな夕飯を囲んで、この冬も元気に乗り切りたいものです。

(ナチュラルライフ研究家 佐光紀子)

「シンプル家事」や季節感のある食卓など、子どもと一緒に体験したい暮らしの工夫や、親子のコミュニケーションについてつづります。

筆者紹介

佐光紀子(さこう・のりこ)=翻訳家・ナチュラルライフ研究家。日本の暮らしに合った、無理のないエコライフを提案している。著書に「男の掃除」(日経BP)「重曹大事典」(ブロンズ新社)など。1961年生まれ。メーカー、証券勤務を経て現職。東京在住。家族は大学生の長男と高校を卒業した次男、中学生の長女と夫。

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