
「レンタルを始めてから使わない自転車が減った」と話す河内理事長(左)(横浜市)
健康や環境を意識して自転車に乗る人が増えてきた。そこで浮かび上がってきた問題が、マンションなど集合住宅での駐輪場不足だ。駐輪場に入りきらず、玄関先に放置されたり、廊下などの共有部分に置かれたりする自転車に多くの管理組合が頭を悩ませている。
「これはひどいな」。東京都杉並区のマンションで管理組合の理事をしている男性(42)は最近、駐輪場からあふれている自転車を見て驚いた。玄関ポーチや歩道にざっと数十台。チェーンで歩道の柵に固定したものもある。マンションの景観が悪くなるだけでなく歩行者に迷惑で、近所の住民から苦情が出ていた。
原因は駐輪場の不足だ。もともと37世帯のマンションに27台分しかない。複数の自転車を持っている家族世帯があるし、最近は1人で何台か保有している人がいる。「お気に入りの自転車を駐輪場に置いて、普段乗る『ママチャリ』を外に放置している」と理事の男性は嘆く。
通勤用の高級なスポーツタイプの自転車を部屋の中に持ち込む人がいて、エレベーターや廊下が汚れることを嫌がる住民との間でトラブルになったこともある。
駐輪料金の不公平の声もあるが…
駐輪場に収まらない自転車はマンション内になだれ込む。東京都内にある別の分譲マンションの駐輪場は160台。1世帯に2台分あるが、それでも足りない。自転車を自分のフロアまで運び、廊下に置く住民が現れた。管理組合が注意すると、「駐輪場は空きがない」と反論する。
同マンションの駐輪場の利用料金は月200円。廊下に無料で持ち込まれては正規に支払う人と不公平になる。それでも現状に対応するため昨年、住民総会を開いて緊急時の避難経路の邪魔にならないことなどを条件に「廊下駐輪」を認めた。「敷地内に駐輪場を増設できないので仕方ない」と管理人は複雑な表情だ。
自転車雑誌「サイクリングライフ」の松坂佳彦編集長は「数年前から健康や節約目的で通勤などに自転車を使う人が目立つようになった」と話す。業界の2009年の統計では通勤などに使われるスポーツ車が前年比8%、電動アシスト車は16%増えた。各世帯の2台目、3台目の需要が高まっている。
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