適応障害と診断されてから、多くの薬を飲んでいます。その時の症状によって若干の増減、内容の変化はありますが、一日分をまとめたらお皿にのるかもしれません。薬の副作用も、数年来内服を継続していることが原因なのでしかたありません。
職場に復帰した時、一番困ったことは、内服薬のコントロールでした。日中、安定剤が強すぎて体がだるくなったり、傾眠気味になったりして、仕事に集中できないことがありました。しかし、服用しなければ心が落ち着かなくなってきます。
夜、なかなか寝入ることができず、睡眠導入剤と睡眠薬を服用しているのですが、それも、体調によって微妙に効き具合が違います。朝、比較的すっきり起床できたかと思えば、通勤の運転中に睡魔に襲われ、両まぶたがくっつきそうになることもあります。信号待ちしている時に気が遠くなり、後ろの車からクラクションを鳴らされることもしばしばです。
通勤は自宅から車で40分ほどの距離でしたが、こうした体調を考えて、始業2時間以上前には自宅を出るようにしていました。薬がまだ残っていて、完全に覚醒(かくせい)できていないことが多いからです。途中のコンビニエンスストアの駐車場で仮眠を何回かとることでどうにか睡魔から抜け出し、出勤するという毎日でした。その際は、2つの携帯のアラーム機能は大変重宝しています。
今では、どうにか睡眠薬のコントロールもできるようになりつつありますが、体調は日々変化します。いつもと同じ薬の量でも、全く眠れない時や、逆に効きすぎてしまうことがいまだにあります。
ナースの仕事は日中だけではなく、時々、総合病院の夜勤勤務に就く事があります。その時は就寝前の内服はしません。飲んでしまったら深夜の仕事ができなくなってしまいますから。そのときは、全く眠気に襲われずに夜勤をこなせますが、だいたい、翌朝9時ごろの日勤への申し送りが済み、白衣を脱いだころから、体が宙に浮いたかのような状態になります。ですから、夜勤後は近くのホテルで数時間仮眠をとり、帰路につくようにしています。
ツアーに同行する旅行認定看護師の資格を持っているので、海外への団体旅行の看護添乗の仕事をすることもありました。時差のある国への飛行機の中での服用は、大変難しいのです。現地時間を考えるほか、機中で処置が必要なお客様が出た時にぐっすり寝込んでいるという訳にはいきません。ですから、移動中が10時間以上の時は、睡眠薬の中の短期服用型という薬を飲みます。ぐっすりとはいきませんが、ほどほどの睡眠は確保でき、また必要に応じて目が覚めます。
現地に着いたら、移動中のバス等の中では極力休むように心がけています。意外なことに、出発時も帰国時も時差ぼけをしたという経験はありません。体が薬でコントロールされているせいかどうかはわかりません。きっと、体には負担になっていると思いますが、意外なメリットでもあります。
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野村良子(のむら・よしこ) 1960年生まれ。看護師。都内の学校法人に勤務していた2003年、異動を機に適応障害を発症し9カ月入院。地域住民を対象にした「心の相談室」で勤務しながら自らも治療を続ける。09年に退職。デイサービスセンター勤務を経て現在は関東地方の保育園勤務。
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「患者は働く」は、病気やその後遺症と折り合いをつけながら働き続ける姿を紹介するコラムです。本人にとっての働く意味やその上での工夫、周囲の配慮などについて、乳がん、クローン病、脳卒中、腎臓移植、適応障害の5人の筆者が毎週リレー形式でつづります。
適応障害、睡眠導入剤、睡眠薬、内服薬
悪性リンパ腫やハント症など度重なる病気を超えて飯泉悟さんは働き続けている。「がんを患わなくても事故に遭う可能性だってある。がんを患ったからといって仕事ができないことにはならない」。今はそう思う。…続き (2011/3/20)
「患者は働く」には、自身も患者である読者からの反響が寄せられた。「私も前向きに働きたい」との声のほか、患者を取り巻く社会環境をめぐり、「花粉症と同じようにがんも打ち明けられたら」との声もあった。…続き (2010/9/12)
適応障害と向き合いながら働く野村良子さんは、心の病への社会的理解は十分とはいえないと痛感している。心の「傷」は目にはっきり見えないだけに、企業等にはメンタルヘルスのサポート部署が必要だ、と訴える。…続き (2010/9/5)
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