在日韓国・朝鮮人が多く住む大阪・生野の「コリアタウン」。韓流ブームをきっかけに、在日の日常生活の場は修学旅行生や旅行客が集う名所に様変わりした。
「この街のように、日本には異なる歴史や文化を持つ人がたくさんいる」(コリアNGOセンター代表理事の郭辰雄=カク・チヌン=さん)
コリアタウンは3つの商店街からなり、東西600メートルの路地に約130店がひしめく。在日の人が営む店が約7割あり、大阪のお年寄りは今も「朝鮮市場」と呼ぶ。2002年の日韓W杯をきっかけに、異文化や国際交流を考える“生きた教材”として注目されるようになった。10年前は年間2000人にも満たなかったが、今は年間1万人を超える小中高生が訪れる。
店先でトックを焼く女性に「それ何ですか」「焼きもちみたいなものよ」。食べると「うまいっ」。色鮮やかなチマチョゴリに女子生徒は「きれい」。コリアタウンの中ほどにある班家(ハンガ)食工房では、キムチ作りも体験した――。修学旅行で来た熊本高校の生徒は異国情緒あふれる街を楽しんだ。
体験学習の前半はお勉強。日本に漢字や文化を伝えた渡来人に始まり、朝鮮王朝と朝廷との交流、差別の歴史などを聞いた。強制連行の話では、生徒たちは厳しい表情に。
案内役は非営利組織(NPO)コリアNGOセンターの郭さんと事務局長の金光敏(キム・クァンミン)さん。2人は大阪生まれの在日3世だ。「得意なのは大阪弁」と話して笑いを誘った。
以前は在日の苦難の歴史が中心だったが、参加した在日の高校生から「ちょっとしんどい。楽しいことも知りたい」と注文され見直した。金さんは「差別の問題だけでなく、料理や音楽、衣装など文化も知ってほしい。それが相互理解につながる」と話す。
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