昔ながらの街並み、近隣の人々が憩う緑地、しゃれた雑貨店、知る人ぞ知るレストランや和菓子店……。遠くに出かけなくても、身近なところに思わぬ発見があるもの。わずか10時間もあれば十分、ちょっと時間ができた時にあなたも出かけてみませんか。「THE NIKKEI MAGAZINE(日経マガジン)」(毎月第3日曜日発行、東京、神奈川、千葉、埼玉の宅配限定)で好評連載中の「10hours pleasure」で訪ねた東京都内や近郊の街を紹介します。
池袋から西武池袋線で3つ。江古田駅周辺には、歩いて10分程度の距離に大学が3つある。
北口を出て、最初に向かったのは武蔵野音楽大学。
ドラマ化もされた漫画「のだめカンタービレ」の大学とそっくりな建物はベートーヴェンホール。パイプオルガンは定期検査中だった。ホールに響く言葉は日本語ではない。ドイツ製なので、技術者もドイツから招くのだそうだ。
その裏にある楽器博物館は一般の人でも自由に見学ができる(平日のみ)。3階建ての建物には世界各国の楽器を展示している。100台を超えるピアノを置いた1階は圧巻だ。
大学を出て少し歩いたところにレコード店「おと虫」があった。1979年に開店、現在の場所に移って6年になる。店内にはCDだけでなく5000枚のLPも並ぶ。学生街によく似合うが、店長の笹田良二さんによれば、最近は社会人や定年後の客のほうが多いとか。
昼は音大生に教えてもらったスパゲティの店「まほうつかいのでし」へ。店名はフランスの作曲家ポール・デュカスの曲名からとった。「音大の隣だから」と店主の渡辺芳昭さん。看板には創業1881年とあるが、これはジョーク。1981年に開店し、お客さんの6割が音大生だという。「学生街は毎年新しい人が来るので新鮮ですよ」
北口には日本大学芸術学部もある。駅を出て左が音大、右が日芸。ここを境に学生の服装が変わったように思えたのは気のせいか。