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事情のある国の切手ほど面白い 内藤陽介著 国家意思を確認する情報源

2010/9/8付
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(メディアファクトリー新書・740円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)
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(メディアファクトリー新書・740円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

 切手はメディアである――。それが郵便学者である著者の一貫した主張だ。原則として国家が切手を発行する以上、時の政権の主義主張が反映されるのは当然のことだ。逆に言えば国家意思を確認する上での貴重な情報源でもある。

 核兵器保有を宣言し、国際社会を挑発する北朝鮮が、かつて反核切手を発行していたことをご存知だろうか。1988年のソウル五輪に対抗して、平壌で開催した第13回世界青年学生祭典の宣伝のために発行したもので、廃棄される核ミサイルが描かれている。

 70年代から80年代にかけて、この国にも飛び火した「反核運動」の実態についてはよく覚えている。「反核」をうたうため、反対しづらいものがあったが、内実は米国を中心とする西側諸国の核は悪で、それに対抗する東側諸国の核は善という、極めて政治的なものであった。

 後に北朝鮮に亡命した「よど号」グループの実行犯、そして一部の支援者たちが、この運動に関わっていたことが明らかになる。

 北朝鮮にはぜひ、もう一度、反核切手を作って欲しい。破棄されるミサイルの絵は、もちろんテポドンだ。

★★★★

(スポーツジャーナリスト 二宮清純)

[日本経済新聞夕刊2010年9月8日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

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