「え、ここで投了したの?えーと……。コンピューターに詰みまで指すように言っておいてくださいよ」
スクリーンに映し出された盤面を前に、一般観戦者に向けた解説役のプロ棋士が苦笑しながら考え込む。勝負が決まった局面を示す「投了図」を見ながら、最後の「詰み」までの指し手が一目ではわからず、戸惑っているのだ。
5月2~4日に東京都調布市の電気通信大学で開催された「第20回世界コンピュータ将棋選手権」での光景。投了図から二十数手かかって詰みに至る対局もあった。1秒に数万から数百万手を読むとされるコンピューターの思考速度は圧倒的。解説を務めた広瀬章人五段は「(コンピューターと戦ったら)プロも危ないといわれる理由がわかった」と舌を巻く。
1年前の前回大会時で既にトップアマと互角以上の強さを見せたコンピューター将棋。43チームが参加した今大会では、さらに上のレベルを目指すソフト開発者らの新たな試みが目についた。
300台以上を接続
前回の覇者で東京大学大学院総合文化研究科の教員と学生が中心になって開発している「GPS将棋」。多くの参加者が1、2台の機器を使用するなか、今回は東大駒場キャンパスのパソコンなど300台以上をつなげて膨大な処理能力を実現した「クラスタ」システムを採用した。
ほかの参加者からも高く評価され、決勝リーグでは5勝2敗の3位。開発チームのメンバーである東大の金子知適助教は「クラスタの性能を生かし切れなかった」と語り、今後の可能性に期待を寄せた。
コンピューター将棋、電気通信大学、鶴岡慶雅、滝沢武信、米長邦雄、GPS将棋、Bonanza
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