(2011年9月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
シン・フーシャンさん(30歳)は日々、北京郊外で電動スクーターを売っており、複雑な金融取引のことはほとんどわからないが、危機に見舞われている欧州諸国の国債を中国政府が買うことについては強い意見を持っている。
■「旧敵」救済に反発する中国人
「中国は欧州の国債を買うべきではない。あの米国ですら債務を返済することもできず、結局、中国が損をすることになるんだから」とシンさん。「そんな大金があれば、政府が本当に(中国)国民のためになることをやったらいいのに」
中国が無価値になるかもしれない国債を大量に購入して債務に苦しむ欧州を救おうとしている、あるいは救うことができるという考えは、中国社会の大部分で軽蔑を招く。
中国は世界第2位の経済大国となり、軍事予算を急増させる一方、山のような外貨準備を抱えている。外貨準備は年間5000億ドル以上のペースで増加しており、今では3兆2000億ドルを超え、断トツで世界最大となっている。
だが、中国はよく「富国貧民」と称される。つまり、政府と関連機関は豊かで強いが、一般市民は相対的に貧しく、概して基本的な社会福祉さえ得られない国だ。
大半の市民にとって、「大衆の血と汗がにじんだカネ」である外貨準備を使ってほんの数世代前に中国を植民地化しようとしていた退廃的なヨーロッパ人を救うという考えは愚かに映る。
■「市場経済国」の地位を要求
欧州大陸のソブリン債務危機の当初から、中国は繰り返し、欧州の見通しに対する「信頼」を表明してきた。中国の温家宝首相は9月14日、このセリフを繰り返し、中国政府は欧州経済がいずれ回復することを確信していると述べた。
「我々はずっと欧州経済が直面する困難について懸念しており、これまで何度も支援の手を差し伸べ、投資を増やす意思を示してきた」。温首相は中国大連市で開幕した夏季ダボス会議(世界経済フォーラム主催)の冒頭でこう語った。
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世界第2位の経済大国の舵(かじ)取り役に来年就任する人物は、2007年に中国の国内総生産(GDP)統計に対する疑念をうっかり漏らした。当時の米国大使に向かって中国の公式GDP統計は「人為的」で当てにならないと語ったのは李克強氏だ。…続き (5/16)
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