(2012年2月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
イタリア中部の豊かな工業地帯「モーターバレー」は車好きの理想郷だ。レッジョ・エミリアから南へボローニャまで続く80キロの細長い工業地帯は、フェラーリ、マセラティ、ランボルギーニといった世界有数の著名自動車ブランドの本拠地だ。
■債務危機の打撃受ける中小企業
こうした企業の周辺で、数百社を数える中小企業も、ニッチな自動車部品を供給することで豊かになった。
しかし今、イタリアの金融市場を揺るがしている債務危機が、人口1人当たりの生産高でイタリア第2位の規模を誇る工業地帯に大打撃を与えている。最大手クラスの企業は何とか乗り切っているが、比較的規模が小さい企業の多くにとっては毎日が戦いだ。
「賢明で革新的な企業は生き残るだろうが、一部のサプライヤーが苦しんでおり、いずれ倒れるだろうことを無視できない」。(高級オートバイメーカーである)ドゥカティの会長兼最高経営責任者(CEO)、ガブリエレ・デル・トルキオ氏はこう話す。
■頼みの綱は輸出
エミリア・ロマーニャ州を本拠とするすべての優良ブランド企業と同様、ドゥカティも輸出企業だ。同社製オートバイの10台に8台はイタリア国外で販売されている。ドゥカティにとって最大の市場は米国で、米国内での販売台数は昨年、前年比で42%増加した。また、アジアでの販売拡大に応じて、昨年はイタリア国外で初となる工場をタイにオープンした。
デル・トルキオ氏は、イノベーション(技術革新)を重視する姿勢と高級ブランドとしての位置づけのおかげで、2012年には昨年より多くのオートバイを売る自信があると話している。この2つの特徴は、成功しているイタリア製造業者が中国とインドからの競争を撃退するために築き上げたものだ。
1月は概して販売が振るわない月だが、ドゥカティの受注状況は「有望だ」とデル・トルキオ氏は言う。しかし、国際展開がなければ、先行きの見通しは悲惨だ。イタリアでは1月のオートバイ販売台数が前年比23%減少した。
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