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企画書作成のコツ 2本柱は「説得力」と「共感力」

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2010/9/7 7:01
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 新製品やサービスの提案に不可欠な「企画書」。社内外でのプレゼンテーションのため、作成する機会は多い。だが、内容が散漫になったり、マンネリに陥ったりするなど、悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくない。ヒット商品を世に送り出した開発者の経験談をもとに、成果を生む企画書を作るためのコツやヒントを探った。

データ具体的に

 「売れるはずだと思い込ませることが何よりも必要」。三菱電機ホーム機器(埼玉県深谷市)で調理技術部長と開発部長を兼務する長田正史さん(53)は企画書の役割についてこう話す。

 長田さんらが中心となって2006年に市場に投入した炊飯器「本炭釜」。店頭実勢販売価格が10万円前後と、炊飯器では高額ながら、安定して売れ続けている。長田さんはそれまでに培ってきたノウハウをこの商品の企画書につぎ込んだ。

 開発の初期段階で社内会議に使った「IH炭釜炊飯」と題した資料は全部で8ページ。最初のページこそ「狙い」「開発内容」などを列挙した一般的な内容だが、その先はかなり特徴的だ。

 文字による説明をできるだけ省き、実験の結果を示す写真やグラフをふんだんに盛り込んだ。生データを具体的に示し、「説得力」を高める効果を狙ったのだ。

 長田さんが担当する白物家電は市場も成熟しており、なかなか新たなアイデアが出にくい。日々の小さな観察の中からヒントを探し、「自分の手で効果を確かめてみて、示すしかない」と長田さんは話す。

 本炭釜の商品化を提案するため、自宅で実験を行った。炭片を釜の中に入れて米を炊くと理想的な状態で沸騰することを突き止め、その状態をデジタルカメラで撮影して見せた。

 企画書に欠かせないのは説得力だけではない。生産やマーケティング、営業など様々な部門の関係者を巻き込んでその気にさせる「共感力」も求められる。

 06年の発売以来、累積販売台数が40万個を突破するなど、貯金箱としては異例のヒット商品となった「人生銀行」。この商品の企画書を作ったのがタカラトミー新規事業本部の遠藤千咲さん(26)だ。

 プレゼン用ソフトで作成した企画書には写真やイラスト、動画を駆使、見る人を飽きさせない工夫を凝らした。

 人生銀行には液晶画面が付いている。画面に表示されるキャラクターが硬貨を入れるたびに徐々に成長していく仕組みだ。遠藤さんは美大出身でイラストが得意という特長を生かし、自らキャラクターのイメージ図を描いた。

「アンテナ」張る

タカラトミーの遠藤さんは自ら描いたイラストも企画書に利用

タカラトミーの遠藤さんは自ら描いたイラストも企画書に利用

 イメージを知人に伝え、「見るからに貧しそうな格好をした青年」と「葉巻をくゆらせる成功を収めた青年」の写真を用意してもらった。企画書ではこの写真を盛り込んで、人生銀行のユニークさをアピールし、社内の共感を得た。

 遠藤さんは「具体的なイメージを持ってもらうことと、何よりも面白がってもらうことを意識した」と語る。 この時のプレゼンテーションは社内研修の一環だったが、その場で商品化が決まり、現在も安定して売れ続けるロングセラー商品に育った。

 長田さんと遠藤さんに共通するのは、新商品のヒントになりそうなできごとへのアンテナを張り、その成果を企画書に反映させている点だ。

 長田さんは常にデジタルカメラを携帯し、飲食店などで参考になりそうな事例を撮影するようにしている。本炭釜では飲食店で炭釜を使って炊いた米飯の写真を自ら撮影し、企画書の最後のページに載せた。

 遠藤さんもスケッチブックを持ち歩いており、新たなアイデアなどを思い浮かぶと、すぐにイラストや文字で書き記している。社内で関係者に見せて、即席の企画書に仕上げることもある。「興味をもってもらえれば、次につながることもある」(遠藤さん)。優れた企画書は日々の努力のたまものと言えそうだ。

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