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「自己分析」に頼るより「好き・嫌い」から始めよう
石黒謙吾氏インタビュー

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2011/2/3 7:00
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 仕事を、会社を、業界を、そして、自分の将来を選ぶ。就職活動は「選択」の連続で成り立っている。何を基準に選択をしていけばいいのか? 選択する勇気はどうすれば持てるのか? 「選ぶ」と言えば、編集者。思いや特徴を他人に伝えるために企画や言葉を取捨選択するプロだ。『盲導犬クイールの一生』(文藝春秋)をはじめ、160冊以上の書籍を執筆・プロデュース、編集してきた石黒謙吾さんが語る、「選ぶこと」と「好き嫌い」の関係の、目からウロコの考え方を聞いてみよう。

(写真:大槻純一)

(写真:大槻純一)

なぜ自己分析がうまくいかないのか

──「いくら情報を集めても、自己分析をしても、何を基準に仕事を選べばいいのか、分からない」と、選択に悩んでいる学生によく出会います。

石黒 若い人たちが大変な状況にあるというのは理解しています。「なぜこんな苦労をしなきゃいけないんだ」と言いたくなる気持ちも分かる。

 でも、いつまでも選べず、迷い続けてしまうのは、ロジックに頼って先に計算してしまうからだと思います。まず「好き」か「嫌い」かで、ものを見ればいいんです。

──学生は「自分の生まれた時から現在までで、嬉しかったこと、感動したこと、将来どうなりたいか」を年表につける「自己分析」で、論理的に適職を見つけようとしているのですが、それではいけませんか?

石黒 うーん、それをやると、今なんとなく頭の中で考えている企業や業界に合うような経験を、無理やり思い出そうとするでしょうね。で「あ、やっぱり俺は商社に向いている」とか。興味が変われば「いや、やり直したらメーカーだったぞ」となる。筋書きありきの「後づけ自己分析」になってしまいます。

 「好き」「嫌い」は、理屈ではありません。今までの人生で自分が経験したことが、たくさん重なって生まれる、心の動き。それが「直感」と言われるものなのです。

 何にしても、たくさん候補があって選べない時は、まず自分が「こちらが心地良いなあ」と思う「好き」なほうと、そうでないほうの2つに分けてみる。この「二択」を繰り返して、最終的に1つを選ぶことを、選択の基本に置けばいい。

 選択に迷う。どうしても不安が拭い去れない。現実に押しつぶされて次の一歩が踏み出せない。そういう時は、シンプルに考えてみればいいのだ。「私は何が好きで、何が嫌いなんだろう」と。
 選べないのも、不安に思うのも、一歩が踏み出せないのも、無理して好きでもないことをやろうとしているからではないだろうか? 就職活動の最初のボールは、企業ではなくあなたの側にある。どこを受けるかはあなたが決める。だから「私はこういうことが好きだ!」から、始めてみればいいではないか。

意外に知らない、自分の「好き嫌い」

──好き嫌いはこれまでの体験の蓄積で、間違いなく誰もが持っている。まずはそこからスタートしようということですね。

石黒 例えば、お店でもそうですよね。路地裏にあるシブイ雰囲気の店が好きな人もいれば、表通りの華やかな造りの店が好きな人もいる。服装だってそうです。自分の好みの洋服があるじゃないですか。その「好み」が明確な人ほど、就職活動でも苦労しないでしょう。選び方を知っていますから。問題は、普段から自分の好き嫌いを意識しないで、「なんとなく」選んでいる人たちだと思います。

──普段から選んでいないから、いざという時も選べないままでいる。

石黒 そうです。選ぶ力は、日ごろからの小さな積み重ねの中で養われていくものですから。

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