大丸松坂屋百貨店が携帯電話メールを使った販促活動で売り上げを伸ばしている。17店ある「大丸」に顧客が来たとすると、買い物履歴に応じた販促メールが5分以内に携帯電話に届く。顧客を効果的に売り場にいざなう流れができ、2009年度下期の増収効果は140億円に達した。顧客情報管理(CRM)のためデータベースを構築する企業は多いが、せっかく蓄積した情報も生かせなければ宝の持ち腐れ。ひと味違った「販売履歴」の活用でがっちり稼ぐ企業を4回にわたって紹介する。
「お客様が自宅にいるときよりも来店中のほうが、行動に結びつきやすく、購買意欲も沸かせやすい。この点が、パソコン・メールとの大きな違いだ」。大丸松坂屋百貨店の顧客政策部の梅村謙一郎氏は、販売促進ツールとしての携帯メールの魅力をこう語る。
大丸17店では、携帯電話に販促メールを配信するシステム「MyDAIMARUメール」を運用している。このメールが届くことを承諾した携帯メール会員の平均購買額が、2009年度下期(2009年9月~2010年2月)に10万1598円となった。一方、通常のポイントカード会員は同5万8085円。携帯メール会員は“買い物好き”の比率が高い可能性はあるものの、単純計算では半期で140億円(28万人×5万円)の売り上げを上乗せしたことになる。
MyDAIMARUメールの運用を始めたのは2008年3月。顧客が店内のキオスク端末にポイントカードを挿入すると、自分の携帯電話にメールが届く。大丸側は、年齢と性別、各売り場での購買履歴を基に、会員を適宜、数十タイプに分類し、それぞれ異なる販促情報を配信している。キオスク端末自体は元々、来店者に「来店ポイント」を提供したり、ポイントの累計値を確認したりするために設置してあった。つまり、MyDAIMARUメールにはキオスク端末の有効活用という側面もあるのだ。
大丸松坂屋百貨店、J・フロントリテイリング、携帯メール、CRM、迷惑メール、カード会員、販売履歴
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