2012年は、世界の大国のトップが次々と任期満了を迎え、審判を受ける「エレクション・イヤー」(選挙の年)。そのクライマックスは11月に本選を迎える米大統領選だ。ジャーナリストの池上彰さんは野党・共和党の候補者選びを取材するため米国へ飛んだ。
■草の根運動から生まれる米大統領
米国の大統領選は党員集会と予備選挙という仕組みで実施されるということは日本のニュースにもしばしば出てきますが、どのような形で行われているのでしょうか。それを実際に見てきたというわけです。
「世界のリーダー」ともいえる米大統領が片田舎の草の根運動から生まれていく。それが大きな発見でした。アイオワ州の党員集会の場合、その地域の党員たちが集まってきて、「さあ、この人に投票してください」と支持を訴える。さらに自分たちで用意した原稿を読んでアピールする。有権者は「それでは投票しましょう」と小さな紙に書いてバスケットに入れ、これを計算する。まるで日本の学校の学級委員選びのようでした。そういうところから積み重ねていって、大統領候補が決まっていく。そのプロセスはとても新鮮な驚きでした。
アイオワ州デモインでは党員集会と並行した形で実施された高校生による「模擬投票」を取材しました。このイベントには、候補者自身や陣営の幹部が参加。高校で演説会を開くなんて日本ではちょっと考えられません。日本では「特定の候補者の演説なんてとんでもない」という話になります。でもアイオワ州の場合「大統領候補を決めるんだから、候補者自身が来て当然だ」と高校の教師が言います。米国では18歳で投票できます。高校生はまもなく18歳になるわけです。取材した高校の3分の1の学生は、11月には有権者になります。「誰に投票しようか」ということを自分の問題として考えられる。18歳で有権者になれる仕組みがあることでこれほど若者の政治意識が高くなるのか、というのが発見でした。
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