古い付き合いの教授に頼まれて、社会人を対象とした早稲田の大学院大学で講義をする。夜7時から3時間に及ぶもので、資料作りを考えれば固辞するのが普通なのだが、魔がさしたというか、ずいぶんと先の話だったので、迂闊(うかつ)にも引き受けてしまったのである。
一応、早稲田が母校なのだが、20歳を過ぎて入学したこと、60年代の終わりの騒然とした時代で、あらゆる空間が大きなたて看板に覆われ、ゲバ棒をもったヘル…
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