
日本では、まだ主役級のCDだが、世界では……(都内の販売店)
世界の音楽ソフト販売で、デジタル配信がCDから主役の座を奪った。国際レコード産業連盟(IFPI)によると、2014年の売上高はデジタル販売が68億5千万ドル(約8170億円)となり、CDやレコードの68億2千万ドルを初めて逆転した。欧米を中心に、定額制で聴き放題のサービスが急速に普及したのが原因だ。日本では、CDやレコードはなお売り上げの8割近くを占めるが、「主役交代」を目指す企業の動きも出ている。
■若者つかんだ「定額・聴き放題」
欧米では、欧州発の「スポティファイ」や米アップル傘下の「ビーツ・ミュージック」などが若者を中心に人気を集めている。月額10ドル程度で聴き放題になる点が受けている。
デジタル販売の売上高の内訳をみると、依然としてアップルの「iTunes(アイチューンズ)」のような楽曲単位で購入するダウンロード型が5割超を占める。ただ前年比で8%減と縮小傾向にある。

欧米の若者に圧倒的な人気を誇る定額聴き放題サービス「スポティファイ」
■ネットらしいサービス受ける
聴き放題サービスは、曲をネットで受信すると同時に再生する「ストリーミング(逐次再生)」方式が基本だ。好きな曲を選べるだけでなく、再生履歴から判断して好みに合いそうな曲を薦めたり、友人とプレイリストを共有したり、といったネットならではのサービスも売りものだ。
スポティファイは無料でも使用可能だが、「プレミアム(有料)会員」になると数曲ごとに入る広告がなくなり、端末にコンテンツをダウンロードして、ネットに接続できない環境でも使えるようになる。
総利用者の4分の1(1500万人)が有料会員となっている。
音楽の聴き方、欧米で維新 Spotifyの破壊力(3月5日)
再生回数などに応じて音楽コンテンツを作る側にもお金が流れ、ソフト販売額を押し上げる構図だ。
■ダウンロード、古くさくなる日も?
アップルは2014年9月に約4万曲を持ち運べる音楽プレーヤー「iPodクラシック」の生産を中止した。理由は部品の調達難だが個別に曲を買って持ち歩くライフスタイルが古くなったことを象徴している。
音楽配信「聴き放題」台頭 アップル脅かす(2014年11月11日)
アップルは2014年にビーツ・エレクトロニクスを買収し、ストリーミングに参入。すでに米国では大手だ。
■日本でも……企業動く
日本では、まだストリーミングの「勝ち組」は見えない。ソニーグループは、スポティファイと提携して世界で新サービスを始めるのに伴い、日本で手掛けていた聴き放題型の「ミュージックアンリミテッド」を3月29日に終了したばかりだ。一方、放送のように送り手側が曲を選んで配信する「ラジオ型」のサービスはNTTドコモなどが手掛けている。
スマホ世代に受け入れられる新サービスを開発すれば市場拡大の余地があると見て、参入するネット企業が相次いでいる。すでにLINEやサイバーエージェントが開発に着手しており、今春にもサービスを始めるもようだ。
タワーレコードとレコチョクが提携 アプリ共同開発(2月10日)


スポティファイの日本語サイト。日本でのサービスは「準備中」としている







