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仮想通貨 それでも増殖  ~ビットコインはIT革命の新たな主役となるか~
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2014/4/21 2:00
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 大手取引所「マウントゴックス」の経営破綻から間もなく2カ月。インターネット上の仮想通貨ビットコインについて日本は所管官庁を決めておらず、その存在は宙に浮いたままだ。一方、海外では送金手段として広く用いられ始めている。「革新的な決済手段」なのか、「金融システムに咲くあだ花」なのか。仮想通貨にまつわる国内の動きを追い、その可能性や課題を探った。

マウントゴックスの前で報道陣の質問に答える英国在住の男性(右。2月26日、東京・渋谷)。現在のレートで約1500万円を預けていたが引き出せないため来日したという

マウントゴックスの前で報道陣の質問に答える英国在住の男性(右。2月26日、東京・渋谷)。現在のレートで約1500万円を預けていたが引き出せないため来日したという

金融システム変える可能性

 2月末、仮想通貨「ビットコイン」を顧客から預かり、現金への両替サービスを行っていたマウントゴックスが取引を停止し、経営破綻した。麻生太郎財務相は記者会見で、「どこかで破綻すると思っていた」と語った。

 犠牲は大きかった。東京地方裁判所は4月16日、マウントゴックスの民事再生手続き開始の申し立てを棄却し、破産手続に移行することが確実となったためだ。

 破産すれば会社は清算され、被害の弁済は難しくなる。顧客が保有する75万ビットコイン(当時の評価額で470億円前後、その後、20万ビットコインが残存と発表)と顧客の預かり金最大で28億円は消失したまま。マウントゴックスの破綻は1取引所のセキュリティの弱さとの指摘もあるが、捜査当局のメスが入っていないため実態は未解明のままだ。ドルに対する交換価値は回復し、海外では普及を続けているが、監督当局が不在のまま膨張している。

近畿大学産業理工学部の山崎重一郎教授はビットコインの取引記録を解析し、視覚的にとらえることができる図を作成した。丸印は取引を表し、コインの移動先を線で結んでいる。赤いラインは10万BTC以上の流れだ。ビットコインは全取引が公開されているが匿名性は高く、所有者の推定はできても特定は困難だ

近畿大学産業理工学部の山崎重一郎教授はビットコインの取引記録を解析し、視覚的にとらえることができる図を作成した。丸印は取引を表し、コインの移動先を線で結んでいる。赤いラインは10万BTC以上の流れだ。ビットコインは全取引が公開されているが匿名性は高く、所有者の推定はできても特定は困難だ

青い線の部分がマウントゴックスから移動したコインの流れで、黒い塊は資金洗浄をしている場所ではと山崎教授は推測している
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青い線の部分がマウントゴックスから移動したコインの流れで、黒い塊は資金洗浄をしている場所ではと山崎教授は推測している

 2009年から運用が始まったビットコインは、低コストで決済が可能なシステムとして海外で利用されてきた。管理を政府や中央銀行などの組織が行わず、世界中の取引参加者がコンピューターで結びつき、そのネットワーク内で取引が正常なものか承認作業を行っている。作業はマイニングと呼ばれ、膨大な計算量を必要とする。ブロックと呼ばれる取引記録が公開されており、取引内容の改ざんなど不正行為が出来ないように維持し続けられている。

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