Forbes

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論

(1/4ページ)
2013/1/17 7:00
印刷
その他

forbes

(2013年1月11日 Forbes.com)

 昨年12月、極めて重要な報告書が粛々と発表された。そこに結論として書かれているのは、原子力科学の専門家が長年にわたり主張してきたことだ。――つまり、約0.1シーベルト(Sv)または10 rem以下の放射線の被曝(ひばく)は大した問題ではない。

 「しきい値無し直線仮説(Linear Non-Threshold : LNT仮説)」は0.1Sv(10 rem)以下の被曝には当てはまらないが、世界中の自然放射線量はこの範囲にある。そればかりか、この低線量域は、原子力、医学的治療、そして福島のように原発事故で被害を受けた地域にとって最も重要な意味を持つ。

福島第1原発事故は日本の社会や経済に多大な混乱をもたらした(爆発で原子炉建屋が破損した<右から>4号機、3号機、2号機、1号機)
画像の拡大

福島第1原発事故は日本の社会や経済に多大な混乱をもたらした(爆発で原子炉建屋が破損した<右から>4号機、3号機、2号機、1号機)

 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が提出した。低線量の被曝の影響は非常に不確かなものであるため、UNSCEARとしては「低線量の被曝と大人数を掛け合わせて、自然放射線量と同等以下のレベルで漸増的な被曝によって健康被害を受ける人数を推定することは勧めない」と述べている。

 この手法はチェルノブイリ以来広く行われてきたことであり、福島では今も採用されている。

福島事故で「健康への影響無し」

 報告書により、世界はようやく正気に戻り、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかもしれない。例えば津波によって引き起こされたインフラや経済への打撃、あるいは福島周辺の真のホットスポットの除染。さらには、人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、まさにそうした不安に心身をさいなまれている何万人という日本人をケアするといったことだ。また、日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。

 この報告書によって、低線量の被曝が個人と大規模な集団の健康に及ぼす影響について言えること、言えないことがはっきりするだろう。

 自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から3.5ミリSv(350 ミリrem)に上昇しても、発がん率は上昇せず、認識できるような公衆衛生上の影響は何も起きない。同じように、自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から1ミリSv( 100 ミリrem)に低下しても発がん率は低下せず、公衆衛生上の問題に一切影響を与えない。

 重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。つまり毎月0.1Sv(10 rem)を被曝すれば影響はあるかもしれないが、年間で同じ0.1Svを受けた場合は、慢性にせよ、急性にせよ認識できるような影響は一切ない。

 さらにUNSCEARは、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている。「影響無し」としているのだ。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 4ページ
  • 次へ
印刷
その他

電子版トップビジネスリーダートップ


【PR】

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

今週の予定 (日付クリックでスケジュール表示)

<1/16の予定>
  • 【国内】
  • 2016年12月の企業物価指数(日銀、8:50)
  • 16年11月の機械受注統計(内閣府、8:50)
  • 黒田日銀総裁が支店長会議であいさつ(9:30ごろ)
  • 1月のQUICK株式月次調査(11:00)
  • 16年11月の第3次産業活動指数(経産省、13:30)
  • 16年11月の特定サービス産業動態統計(経産省、13:30)
  • 1月の日銀地域経済報告(さくらリポート、14:00)
  • 【海外】
  • 16年12月のインド卸売物価指数(WPI)
  • 16年11月のユーロ圏貿易収支(19:00)
  • キング牧師誕生日の祝日で米市場休場
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<1/17の予定>
  • 【国内】
  • 閣議
  • 経団連が春季労使交渉の指針
  • 20年物国債の入札(財務省、10:30)
  • 16年11月の鉱工業生産指数確報(経産省、13:30)
  • 1月のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センター、15:00)
  • 16年12月の投資信託概況(投信協会)
  • 16年の訪日外国人客数(日本政府観光局)
  • 16年の訪日外国人消費動向調査(観光庁)
  • 【海外】
  • 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス東部ダボスで20日まで)
  • 16年12月の英消費者物価指数(CPI、18:30)
  • 1月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測指数(19:30)
  • 1月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数(22:30)
  • ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が金融・財政政策について講演(18日0:00)
  • 16年10~12月期決算=ユナイテッドヘルス・グループ、モルガン・スタンレー
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<1/18の予定>
  • 【国内】
  • 1年物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
  • 中西地銀協会長が記者会見(14:30)
  • 稲野日証協会長の記者会見(14:30)
  • 【海外】
  • 16年12月のマレーシア消費者物価指数(CPI)
  • 16年9~11月期の英失業率(18:30)
  • 米次期商務長官の公聴会
  • 米リテール・エコノミスト・ゴールドマン・サックス・チェーンストア売上高(週間)
  • 16年12月の米消費者物価指数(CPI、22:30)
  • 16年12月の米鉱工業生産(23:15)
  • 16年12月の米設備稼働率
  • カナダ中銀が政策金利を発表(19日0:00)
  • 1月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数(19日0:00)
  • 米地区連銀経済報告(ベージュブック、19日4:00)
  • イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が講演(19日5:00)
  • 16年11月の対米証券投資(19日6:00)
  • 16年10~12月期決算=シティグループ、ゴールドマン・サックス、ネットフリックス
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<1/19の予定>
  • 1月のQUICK短観(8:30)
  • 対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
  • 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
  • 5年物国債の入札(財務省、10:30)
  • 16年12月と16年の首都圏・近畿圏マンション市場動向(不動産経済研究所、13:00)
  • 国部全銀協会長が記者会見(15:00)
  • 三村日商会頭の記者会見(14:30)
  • マレーシア中央銀行が政策金利を発表
  • 16年12月の豪雇用統計(9:30)
  • 欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表(21:45)
  • ドラギECB総裁が記者会見(22:30)
  • 16年12月の米住宅着工件数(22:30)
  • 1月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(22:30)
  • イエレンFRB議長が講演(20日10:00)
  • 海外16年10~12月期決算=IBM、アメリカン・エキスプレス
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<1/20の予定>
  • 閣議
  • 日銀金融政策決定会合の議事録公表(2006年7~12月開催分、8:50)
  • 16年11月の毎月勤労統計確報(厚労省、9:00)
  • 中曽日銀副総裁が国際銀行協会で講演(都内、12:40)
  • 進藤鉄連会長の記者会見(13:00)
  • 16年12月の食品スーパー売上高(日本スーパーマーケット協会など、13:00)
  • 16年12月と16年の全国百貨店売上高(日本百貨店協会、14:30)
  • 16年12月と16年の主要コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会、16:00)
  • 16年10~12月期の中国国内総生産(GDP、11:00)
  • 16年12月の中国工業生産高(11:00)
  • 16年12月の中国小売売上高(11:00)
  • 16年1~12月の中国固定資産投資(11:00)
  • 16年1~12月の中国不動産開発投資(11:00)
  • 16年12月の英小売売上高(18:30)
  • トランプ氏の米大統領就任式
  • 海外16年10~12月期決算=ゼネラル・エレクトリック(GE)
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

[PR]