税務署はここを見る 国外財産と「金」に照準

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2012/9/8 7:00
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 税務当局が個人の運用資産の監視を強めている。照準を合わせるのは国外財産と金の売却益。例年9月から本格化する調査で申告忘れを指摘される人は多く、十分に備える必要がある。税務署は何を見ているのか。

 「このままだと税務署に国外財産をすべて申告する必要があります」――。東京都内で会社を経営する加東秀昭さん(仮名、62)は税理士に指摘され驚いた。

■調書提出義務に

 加東さんは円高が続く中、「中長期的には買い場」と見て新興国の株式・債券などへの投資を増やしてきた。米国に所有するマンションも含めると時価は「億単位」になる。

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 確かに加東さんがこの先「億単位」の国外財産を持ち続けるならば、それを税務署に申告する義務がある。2012年度の税制改正で「国外財産調書」の提出制度が導入されたからだ。年末に5000万円を超える国外財産がある人は翌年の3月15日までに種類、数量、価額などを税務署に提出しなければならない(表A参照)。義務づけられるのは、13年末時点の保有国外資産からだが、金融機関や税理士らには早くも相談が相次いでいる。

 「税務署に国外財産の中身を知られるのは嫌」という加東さんは、来年にかけて国外財産を5000万円以下に減らすという。

 こうしたケースは少なくない。国際課税に詳しい明治大学大学院教授の川田剛氏(元仙台国税局長)は調書提出が「今後、日本からの資金の流れに影響を与えるかもしれない」と見る。

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