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社員の「うつ」、血液で見抜く 早期発見へ

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2014/4/13 7:00
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 全国で約100万人の患者がいて、職場でも大きな課題となっているうつ病。これまで客観的な診断基準が確立されておらず、再発率も高かった。数値などのデータによる新たな検査法や新薬開発が進む。ビジネスパーソンを守るための最新の取り組みを追った。

 今春、東京都港区にある精神科診療所、川村総合診療院を20代半ばの男性会社員が訪れた。仕事で突然ミスが続き、上司から精神科の受診を勧められたという。

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 休日は週に1日。仕事が忙しく、日々の食事も満足に取れていなかった。発症までの経緯と症状から判断すると明らかにうつ病。だが診断はうつ病ではなく、男性の能率低下の理由は、不規則な生活による脱水症状だった。最終的には男性は食事や水分摂取などの生活指導だけで、通常通りの業務が可能になった。

■VBと新技術を共同開発

 川村総合診療院の川村則行院長がこの男性を「うつ病ではない」と判断したのは、血液中の「エタノールアミンリン酸(EAP)」の数値が正常だったため。EAPは、川村氏がヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)と共同で開発を進めるバイオマーカーだ。HMTは東証マザーズ上場の慶応大発ベンチャーで、細胞の代謝物の分析を請け負う。

 うつ病は診断の難しい疾患だ。一般的に医師は、「DSM―4」と呼ばれる国際的な診断基準に照らして問診を行い、診断する。だが、患者が常に正確な状態を医師に伝えるとは限らず、客観的なデータがない。医師の診断能力に依存し、時に臓器に異常が認められる器質的な疾患は見逃されがちだ。「男性会社員は、通常の精神科医ならば間違いなくうつ病と診断して薬を投薬するケース」と川村氏は話す。

 このバイオマーカーは、川村氏が国立精神・神経センター(当時)に勤務していた2002年ごろに研究を開始。「精神疾患を発症すると免疫力が落ちる。血液内になんらかの問題が出ているはず」と考えてHMTに研究を委託して開発した。

 だがHMTが通常、代謝物の解析に利用する「キャピラリー電気泳動」という方法ではコストが1例40万円程度かかるほか大量に測定するのは難しかった。そこでHMTはEAPを「クロマトグラフィー法」と呼ばれる解析方法や酵素を用いて測定できるようにした。

 1万円から2万円程度での計測が可能となり、実用化も視野に入った。HMTによるとうつ病を拾い上げる「感度」は80%以上、うつ病でない場合にうつ病と診断されない「特異度」は95%を超える。既に川村氏は試験的に約1200人、2500例で計測を実施、実用性に自信を示す。

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