敷金取られすぎ… 泣き寝入りしない交渉ワザ

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2014/3/15 7:00
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 引っ越しや新生活の買い物が増えるこの時期は、お金に関するトラブルも発生しやすい。泣き寝入りせず、専門家や第三者機関を活用しながら、打つべき手を打つことが大切だ。どんなケースにどんな対処が有効か、敷金の返還など不動産トラブルについて考えてみよう。

 「こちらの知識不足につけ込むつもりだったのだろう」。愛知県に住む会社員のA男さん(33)が振り返るのは、昨年夏に10年住んだ部屋を引っ越した際の敷金返還トラブルだ。部屋に度を超す汚れはなかったにもかかわらず、大家が提示した原状回復の見積書には、既に払っていた敷金20万円に加え10万円を払うよう指示されていた。

■設備減価は家賃内

 知人に相談すると「通常の生活による汚れは借り主に責任はない」と助言され、国土交通省の「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の存在を教わった。そこで改めて大家に「おかしい」と訴えると、見積もりを取り下げるばかりか、敷金のうち10万円が返金されたという。

 国民生活センターに今年度寄せられた賃貸住宅の敷金、原状回復トラブルの相談は1月末時点で1万359件。無料の相談窓口はほかにも日本司法支援センター(法テラス)や東京都行政書士会の「賃貸住宅問題相談センター」などがある。敷金の取り扱いなどに疑問を感じたときは、これらの専門家に相談すると安心だ。

 自分で取り組めることも多い。まずは見積書の内訳チェックだ。参考にするとよいのが、国交省や東京都が出しているガイドラインだ。「カーペットについた家具の跡やへこみは家主負担」などと、部屋のケース別にどちらが負担するかが示されている。それをもとに交渉するのが第一歩だ。

 司法書士の船橋幹男さんは「敷金は保証金の一種で、基本的には転居時に返ってくるもの」と指摘する。何年か住めばクロスや畳は古くなるが「設備の減価分は家賃で賄われている」(船橋さん)。覚えておくべきだろう。

 よく問題になるのは入居の際に交わした契約書に「クロスの張り替え費用は入居者負担」などの特約があるケース。当事者間の合意である契約は重い意味を持つが「消費者契約法に基づき、一方的に入居者が不利な内容である場合は特約が無効になることもある」(船橋さん)。あまりに一方的な内容と思える場合は、あきらめずに貸主と交渉すべきだ。

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