ごみ排出量「ワースト」大阪 市長選、減量公約競う

2011/11/16付
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 リサイクルの広がりなどから全国的にごみの排出量が減少するなか、大阪府は1人あたりの排出量で全国最悪の状態が続いている。特に事業所が集まる大阪市は他の大都市と比べても、ごみ問題が深刻。2人の市長選候補はそれぞれ減量目標と処理施設の削減を掲げるが、分別意識の啓発や施設の適正配置など市政に求められる課題は多い。

 2009年度の環境省の調査によると、1人あたりの1日のごみ排出量は、大阪府が1117グラムで都道府県で最多。大阪市は1358グラムで、東京23区(1122グラム)や横浜市(951グラム)、名古屋市(1032グラム)と比べ、その多さが際立つ。

 大阪市の09年度の処理量は115万トン。計9カ所の処理施設で約163万トンの処理能力があるが、うち2カ所は稼働年数が25年を超えており老朽化が深刻。このため市は、15年度までに処理量を110万トンに減らす目標の達成を前提に、2カ所を建て替える方針だ。

 市長選候補の2人はいずれもごみ減量と、処理施設の統廃合を訴える。

 現職の平松邦夫氏(63)の削減目標は処理量100万トン以下。市の目標を前倒しで達成、必要な処理能力を確保しながら1カ所を削減する考えだ。

 前府知事の橋下徹氏(42)が代表を務める地域政党「大阪維新の会」の削減目標は90万トン。維新は07年度の同省調査をもとに、1人あたりのごみ排出量を東京23区、横浜市、名古屋市の平均水準まで引き下げた場合「3施設が余剰になる」と試算する。

 1969年完成の森之宮工場(城東区)の存廃を巡っても両候補は対立。同工場の廃止・統合をマニフェスト(選挙公約)に明記した橋下氏に対し、平松氏は建て替えを推進する立場。ごみ処理の熱や隣接する下水処理場で発生したメタンガスを活用して発電施設を運用し、「森之宮地区を環境先進都市のモデルにする」と強調する。

 ただ、企業が集積する大阪市はごみの大幅削減への壁は高い。

 市では産業廃棄物を除いた一般廃棄物のうち、オフィスなどから分別しないまま出される「事業系ごみ」が約6割で、全国平均(約3割)を大幅に上回る。今年3月の市の調査によると、事業系ごみのうち、一部リサイクル可能な紙類が59.3%、産業廃棄物も20%以上含まれていた。

 大阪は事業系ごみの処理費が現在、10キロ58円と横浜市の半額以下。ごみ減量に関する市の審議会の委員を務めた宮川精慈・日本チェーンストア協会関西支部参与は「資源化や分別へのモチベーションにつながりにくい。経営不振でリサイクルどころでない中小事業者も多いはずだ」と語る。

 「住民の反対も役所内の抵抗も本当に大きかった」。元横浜市長の中田宏氏は振り返る。市長時代、分別回収の細分化や分別ルール違反者への罰則など削減策を徹底。2年間で3割以上ごみ削減を達成した。中田氏は「時間はかかるが、必ず成果が出る。反発に負けずに取り組むリーダーシップが必要だ」としている。

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