[FT]豪首相、鉱物資源業界への大型課税案批判に反論

2010/5/6付
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(2010年05月06日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 オーストラリアのラッド首相が4日、鉱物資源会社幹部らと面会し、政府が検討中の同業界への資源税導入をやり遂げる決意を表明した。政府提案は事業利益に最大40%の課税を目指しており、業界内で反対の機運が高まっている。

強い反対論にも撤回考えず

 ラッド首相と面会したのはリオ・ティントのサム・ウォルシュ鉄鉱石部門最高経営責任者(CEO)、BHPビリトンのイアン・アシュビー鉄鉱石部門責任者など。その席上、首相は、計画には「強い反対論がある」が、「撤退」するつもりはないと言明した。

 ラッド首相は、その後ラジオ番組で「(会社幹部らは)政府が提案する資源税への見解と懸念を積極的に表明し、私も同様に、なぜこの新税が必要と信じるか率直に語った」と明かした。

 同日、首都キャンベラでは業界大物幹部らが最大野党、自由党のアボット党首と会談した。会談に加わったBHPのクロッパーズCEOは「我々がやるべきことはまだたくさんある」と語った。

野党は新税導入に反対

 アボット党首は、「最も効率的で競争力が高い」経済部門である資源産業への新税導入に「断固反対」を表明し、「豪州にとり金の卵を産むニワトリである鉱物資源産業にいかなる損害も与えてはならない」と訴えた。

 首相率いる与党労働党は今年後半に総選挙を控え、高齢化社会と高騰する医療費に対処するため、資源税導入を中心に税制を抜本的に見直すと表明していた。

 国内鉱物資源各社は、新税は企業収益や株主配当を引き下げるだけでなく、既に政府の承認を受けたプロジェクトの実現まで危うくなると反論している。

 資源関連株は豪株式市場で3、4日と続落したが5日には回復し、リオ・ティント株は1.8%高い68.28豪ドル(62.50米ドル)、BHP株は0.4%上げて37.74豪ドルで取引を終えた。

 スイス金融大手UBSの推計では、資源税が導入されれば、2013年の企業収益はリオ・ティントが21%、BHPは17%落ち込むという。

 一方、格付け会社のフィッチ・レーティングスは新税導入は当面は両社の格付けに影響を及ぼさないという。

 「鉱物資源に対する需要は極めて高いため、資源税導入計画が豪鉱物資源産業の終焉(しゅうえん)の始まりということにはならない」とシドニー在住同社幹部、ジュリアン・クラッシュ氏は語った。

リオ・BHP2社で年間30億豪ドル

 フィッチの試算によると、リオとBHPが負担する資源税は合計で最大年間30億豪ドルで、両社の過去3年間の金利・税金・減価償却費前利益(EBITDA)の1250億豪ドルと比べるとわずかな割合にとどまるという。

 一方、11億豪ドルで豪石炭会社グロスター・コールの買収を目指す石炭中堅マッカーサー・コールは、買収提案の回答期限を今月27日に延期した。38億米ドルでマッカーサー買収を目指す米石炭大手ピーボディー・エナジーが、資源税導入による不確実性を理由に計画の見直しを行っているためとみられる。

by Justine Lau

(c) The Financial Times Limited 2010. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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