ニューズ、娯楽と出版に会社分割 拡大路線に転機
盗聴事件で改革圧力

2012/6/28付
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 【ニューヨーク=小川義也】米メディア大手ニューズ・コーポレーションは28日、会社をTV・映画の娯楽部門と新聞・書籍の出版部門の2上場会社に分割すると発表した。経営を揺るがした昨年の盗聴取材事件を機に株主から新聞事業切り離しなど抜本改革を求める声が高まっていた。ルパート・マードック会長兼最高経営責任者(CEO)の影響力は続くもようだが新聞、映画、TVと事業を広げた「メディア帝国」の拡大路線は大きな転機を迎えた。

 ニューズの取締役会は27日、全会一致で分割案を了承した。出版会社には米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)や英タイムズ、豪オーストラリアンなどの新聞各紙や書籍大手の米ハーパー・コリンズ、教育事業などが含まれる。娯楽会社は米地上波TVのフォックスやCATV向けチャンネル、映画大手の20世紀フォックスなどが傘下に入る。手続き完了には約1年かかる見通しだ。

 マードック氏は声明で分割の考え方を説明。「成長の過程で複雑さが増した事業構造を簡素化し、それぞれの会社の戦略的優先順位を明確にすることで、株主価値の最大化を実現する」とした。新たな訴訟や規制などのリスクを抱え、収益性も低い出版部門を切り離し、稼ぎ頭である娯楽部門がM&A(合併・買収)など株主の求める成長戦略をより追求しやすくする狙いがあるとみられる。

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 娯楽会社の会長兼CEOと、出版会社の会長にはマードック氏が就任する。出版会社のCEOの人選は明らかにしていない。現在ニューズの議決権の約40%を握るマードック会長ら一族は分割後も、それぞれの会社で同じ支配比率を維持する。

 「メディア王」の異名を持つマードック氏は、父親から引き継いだオーストラリアの地方新聞の経営を振り出しに、英国や米国の新聞を次々と買収。1984年に20世紀フォックスを買収してハリウッドに進出した。

 86年には米国で地上波テレビのネットワークを立ち上げてテレビ事業に参入。その後もCATVチャンネルを次々と立ち上げ、一代で世界有数の「メディア帝国」を築き上げたが、盗聴取材事件に象徴されるような巨大化の弊害も指摘されていた。

 そうした中で昨年7月、ニューズ記者らによる組織的な盗聴取材事件が発覚した。その舞台となった英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」は廃刊となり、成長戦略の柱と位置付けていた英衛星放送最大手BスカイBの完全子会社化計画も撤回に追い込まれた。

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