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[FT]日本の二の舞いか 停滞する英国経済

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2012/12/28 7:00
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(2012年12月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 第2次世界大戦以降、英国経済は忠実な老いた猟犬のようだった。急成長と停滞を繰り返した時期やスタグフレーションに耐え、欧州の病人となり、時々自信過剰に陥ったが、長期的な実績は驚くほど安定していた。少なくとも2007年まではそうだった。

■金融危機で様変わりした経済

イングランド銀行のキング総裁が退任する来年夏の時点で英国のGDPは2008年の水準に達しない見込みだ(12月10日、ニューヨークでスピーチする同総裁)=ロイター
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イングランド銀行のキング総裁が退任する来年夏の時点で英国のGDPは2008年の水準に達しない見込みだ(12月10日、ニューヨークでスピーチする同総裁)=ロイター

 国民1人当たりの所得は生産性の拡大を反映し、平均して年間2%近いペースで伸びた。人口が1951年の5000万人から2011年の6300万人に増えたため、国内総生産(GDP)はもっと速いペースで増えた。

 英国は1950~1960年代、戦後ドイツが謳歌した「Wirtschaftswunder(経済の奇跡)」のような高度成長を経験しなかった。インフレが落ち着く米国流の「Great Moderation(大いなる安定)」を享受したのも、1984年に始まった米国版から10年もたった後だった。新しい経済政策の枠組みを打ち出すたびに誰もが興奮したが、統計上、その結果を区別するのは驚くほど困難だ。

 1945~2007年の英国経済は、表向きは変動が大きいものの基本的に安定していて退屈だ、という形容がぴったりだろう。だが金融危機以降、英国はもはや将来が過去のようにはならないという厄介な事実に直面せざるを得なくなった。

■G7の中で最も大きい落ち込み

 労働者1人当たりの生産高が通常のペースで拡大していたら、今頃は2007年より10%高いはずだった。ところが同じ期間に生産性は4%強低下した。英国は主要7カ国(G7)の中で、2007年以前のトレンドと比べてGDPの落ち込みが最も大きかった。英予算責任局(OBR)の試算では、英国のGDPが2008年のピークの水準に戻るには2014年末まで待たねばならないという。イングランド銀行の予想は、マーヴィン・キング総裁が来年夏に退任する時のGDPが、同氏の2期目の任期が始まった5年前より大きい可能性はほぼゼロと見なしている。

 キング総裁は2003年に自身が引き継いだ、インフレがなく持続的に拡張する経済を「すてきな10年」と呼んだが、物価が大きく変わり経済が拡大しない英国の立場は「貧弱」だとするシティグループのマイケル・ソーンダース氏に反論できないだろう。昔の頼りになる英国は、もはやない。

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