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[FT]シェールガス、弱体化オバマ政権最後の切り札

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2014/2/18 7:00
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 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ソチ五輪の費用500億ドル(約5兆760億円)をどこから捻出したのだろうか。ガスプロムに法外な代金を請求されているウクライナ、ドイツなどの意見を聞くといい。ロシアのガス輸出による収入は、プーチン大統領に強気な外交政策を許し、冬季五輪史上最もぜいたくな開会式の実現にもひと役買った。

大きな油田といわれるモントレーシェール層で稼働中の調査用採掘機(カリフォルニア州)=ロイター
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大きな油田といわれるモントレーシェール層で稼働中の調査用採掘機(カリフォルニア州)=ロイター

 米国にはガスプロムに相当する企業は存在しない。しかし米国で進行しているエネルギー革命は、ロシアの周辺国に対する影響力を弱める手段となり可能性があり、米国政府にとっては地政学上の思わぬ幸運だ。弱体化したオバマ大統領の“切り札”と呼べるのはこれぐらいだ。

 米国のシェールガス革命の恩恵ははかりしれない。水圧破砕技術により、ここ5年で大量のシェールガスが入手可能になったことで、米国の天然ガス価格は100万BTU(英国熱量単位)あたり4ドルまで下落した。これはロシアのパイプラインからガスを購入する欧州諸国に対する、ガスプロムの売値の3分の1以下である。さらに中国を含む、大方のアジア諸国の流通価格と比べると、5分の1にも満たない。米国政界はいまだにオバマ大統領がカナダからの石油パイプライン「キーストーンXL」を承認するかにこだわっている。

■天然ガスの「新たなサウジ」

 オバマ大統領がどのような判断を下すかはともかく(筆者はオバマ大統領はできるだけ結論を先送りすると見ている)、米国にとってカナダのタール油(オイルサンドから抽出した石油)の必要性は一段と低下している。米国には天然ガス市場における「新たなサウジアラビア」になれるほどのシェールガスがあり、しかも2020年までには原油生産でもサウジを追い抜こうとしている。

 米国でシェールガスに投資するのは、紙幣を印刷する免許を得るのに等しい。供給量は大きく、需要は無限大だ。オバマ政権は先週、6基目となる液化天然ガス(LNG)輸出ターミナルの建設を承認した。テキサス州ヒューストンのシェニエール・エナジーが保有する最初のターミナルでは、2015年に英国、スペインなどへの輸出が始まる予定だ。さらに数十社が輸出免許とターミナル建設の許可を求めている。

 液化と大西洋をまたぐ輸送コストを含めても、米国産ガスの販売価格はロシアより大幅に低くなるはずだ。エネルギー不足が深刻化するインド、福島の原発事故後は原子力産業を閉鎖している日本、同じく原子力発電所を停止しているドイツなどからの需要も増えている。

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