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[FT]石油生産の上限論は過去の話(社説)

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2014/6/17 14:15
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 ピークオイル論は死んだ。米国の石油産出量が1970年に記録した過去最高水準に達したというニュースは、石油生産がピークに達した後に釣り鐘のような曲線を描いて低下するというピークオイル論がすでに過去の話になったという見方に説得力をもたせる。

 ピークオイルについての理論付けの多くは技術的進歩の予想や、経済的な誘因の理解を欠いている。米国にシェール(オイル)が埋蔵されていることはわかっていたが、かつては商業ベースにのらなかった。だが、いまでは水平掘削や水圧破砕の進歩で採掘が可能になり、15年前にはとても想像できなかった石油価格の上昇も手伝い、生産量は急増した。

米ユタ州にある石油掘削装置=AP
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米ユタ州にある石油掘削装置=AP

 ピークオイル論を支持する人たちの主張は歴史の片隅に追いやられそうだが、それが完全に間違っていたわけではない。地質学や政治的な事情により、石油生産(の拡大)は困難になってきた。原油価格が1バレルあたり100ドルを上回る水準にとどまっていることがそれを十分に証明している。石油生産は今後15年間も難しいままかもしれない。

 石油の「豊かな時代」をめぐる議論を正当化するのは、北米における生産の展望だけである。北米で石油生産が相当に増えているのは確かで、さらに伸びる可能性もある。しかし、北米を離れれば話は別だ。北海油田のように衰えている油田では生産が減り、イラク、ベネズエラをはじめ政治不安や安全保障上の脅威を抱える国々もある。2005年以降、世界の原油生産の増加分がすべて米国におけるものだという事実は驚くべきことだ。

■石油需要は増え続ける

 数年を見渡すと、見通しはいまとそれほど変わらないようだ。石油の世界需要は、中国の金融が崩壊するような衝撃がなければ、増え続けるだろう。新興国の経済が拡大するからだ。だが、供給は抑えられる。先進国側の国際エネルギー機関(IEA)は昨年、12~18年に米国やカナダの次に、世界市場に対する石油の新規供給で大きく貢献する国はイラクとブラジルだと予測した。だが、ブラジルの企業は深海油田の開発において技術的な課題に直面しており、イラクは混乱している。両国ともそれほどあてにはできないようだ。

 米国における産油量が急拡大しているおかげで、世界の石油価格は最近、極めて安定している。だが、英BPのチーフエコノミストであるクリストフ・ルール氏は昨日、米国の増産と、11年以降の「アラブの春」による中東での減産が「偶然にも一緒に起きた」結果にすぎないと述べた。

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