原発事故、世界に衝撃 各国の推進政策に逆風も
「スリーマイル」「チェルノブイリ」を想起

2011/3/12付
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 【パリ=古谷茂久】東京電力福島第1原子力発電所1号機の事故は海外に大きな衝撃を与えた。日本の原発は世界的に最も安全に設計されており、運用・管理も最高水準とされていた。それが米スリーマイル島原発、旧ソ連のチェルノブイリ原発に次ぐ炉心溶融という最悪の事故に発展したことで、原発に対する信頼は大きく揺らいだ。

 ここ数年、原油高や気候変動問題を背景に、世界的に原発回帰の流れが強まっている。欧州ではかねて積極推進していたフランスだけでなく、一時は新設を凍結していた英国や、地震が多発するイタリアなども推進に方針転換。新興・途上国も経済的判断などから原発新設を加速している。

 スリーマイルとチェルノブイリの事故後には世界的に原発見直しの機運が高まった。今回の事故で各国で原発設置の正否を巡り議論が再燃するのは必至。特に、欧州では環境団体などによる反原発運動が根強く、方針の再転換を迫られる可能性がある。

 事故があった原子炉は「沸騰水型原子炉」で、チェルノブイリやスリーマイルの原発とは異なるタイプ。黒鉛で中性子を減速するチェルノブイリタイプより安全性は高いとされ、世界各国に広く普及している。

 過去のふたつの原発の炉心溶融事故は運転員の誤操作などの人的ミスがかかわっており、運用面での管理を強化すれば再発は防げると考えられていた。今回は地震による衝撃が事故の引き金となり、原因は本質的に異なる。

 地震は原発の最大のリスクのひとつとされ、日本の原発では世界最高水準の技術と施工で免震・制震対策が施されている。にもかかわらず、炉心溶融を起こしたことで、世界の関係者に与える衝撃は大きい。

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