ニュースな技術

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

巨大地震、北海道東方沖が要注意
日経サイエンス

2011/12/23 7:00
保存
印刷
その他

 東日本大震災から9カ月半。被災地の復興は緒に就いたばかりだが、そうした状況下で、新たな巨大地震の発生が懸念されている。複数の調査研究結果を総合すると、北海道東部の根室から十勝にかけての沖合で、先の震災と同じような巨大地震が近い将来、起きる可能性がある。そうなれば北海道の太平洋岸はもちろん、東北地方の三陸沿岸にもかなりの規模の津波が再び襲来する恐れがある。

 産業技術総合研究所と北海道大学の平川一臣特任教授らのグループはそれぞれ北海道東部の海岸部や海岸近くの湿地の地層を調べ、過去約5500年間に少なくとも15回、大津波が同地域に襲来していることを明らかにした。前回の大津波は17世紀初めごろ。平川特任教授らは十勝地方沿岸の調査で、そのときの津波が高さ約20メートル丘陵まで到達した痕跡を発見している。

 産総研による最近の調査研究によると、この大津波の再来間隔は平均約400年。前回が17世紀初めごろだったので現在はほぼ満期になる。過去の再来間隔には、かなりのゆらぎが見られるので100年以上のズレもありうるが、状況はそれほど楽観できない。

 気になる兆候はすでに現れている。北海道の東部沿岸では、ここ100年ほど沈降が続いている。北海道の東端、根室にある検潮所の潮位が示す地盤沈降速度は年1センチ、100年で1メートル下がるペースだ。「通常では考えられない非常に速いスピード」と産総研活断層・地震研究センターの宍倉正展・海溝型地震履歴研究チーム長は言う。

 沈降が続いているということは海底下でひずみの蓄積が進んでいることを意味する。実際、国土地理院が全国に展開した全地球測位システム(GPS)観測網のデータ解析結果を見ると、北海道東方沖では、かなりのペースでひずみが蓄積しつつあることがわかる。

 東日本大震災が起きる前、産総研の研究グループなどは、東北地方の宮城県から福島県にかけての太平洋岸に500~1000年間隔で大津波が押し寄せており、その繰り返し間隔から考えて近い将来、大津波が再来する恐れがあると警鐘を鳴らしていた。一方、国土地理院のGPS観測網のデータ解析結果では、宮城県沖を中心とした広域でひずみが蓄積しつつあることが示されていた。しかし、多くの専門家はこれらの研究報告をそれほど重視せず、「想定外」の巨大地震となった。そうした前例を考えれば、北海道東方沖の現状について十分な注意を払い、防災対策を練る必要がありそうだ。

(詳細は日経サイエンス2012年2月号に掲載)


人気記事をまとめてチェック

「テクノロジー」の週刊メールマガジン無料配信中
「テクノロジー」のツイッターアカウントを開設しました。

ニュースな技術をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

関連キーワードで検索

巨大地震北海道東方沖震災

関連記事


【PR】

ニュースな技術 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

3Dセンサーのコストダウンが普及のカギとなりそうだ=AP

AP

目標50ドル 自動運転「中核技術」、家電・ARへ [有料会員限定]

 周囲に光線を発して反射光から空間を3次元的に認識するセンサー「LiDAR(Light Detection and Ranging)」の需要が急激に拡大する見込みだ。新技術の導入で価格が2~3年のうち…続き (2/22)

ARで品質管理、建設現場の修正箇所「一目瞭然」 [有料会員限定]

 現実空間の映像に様々な情報を重ねて描くAR(拡張現実)は、建設現場の作業支援にうってつけだ。出来形管理や製品の検査に適用し、品質の向上や手戻りの削減を目指す動きが活発になってきた。

 スマートフォン…続き (1/27)

家電で鍛えた画像処理、水中ロボでかつてない点検品質 [有料会員限定]

 建設現場で人とロボットが協力して働く時代が到来した。重労働を担ったり、作業スピードを早めたり。部分的には、人の能力をはるかにしのぐ技術も現れ始めた。人材の不足感が強い分野を中心として、ますます機械化…続き (1/24)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経産業新聞 ピックアップ2017年2月23日付

2017年2月23日付

・中古車競売用システム、東南アで販売
・あっさり食べやすい中鎖脂肪酸 日清オイリオ
・東電出資の米VB、日本でエネ効率化事業に参入 AIでデータ解析
・市光工業、インドネシア工場を自動化 生産能力1割増
・物の動き「LINE」で共有 日通総研…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト